at_money_service
マネー

シドニー発豪ドル見通し(5 June 2017)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

 

(豪ドル円日足)

 

 

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital, AT  FUND、Sydney でファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

 

<今週の主な予定・イベント>

6/5(月)5月中国財新サービス業PMI、米4月製造業受注、米5月ISM非製造業景況指数

6(火)RBA理事会、ユーロ圏4月小売売上高

7(水)豪州Q1GDP、日本4月景気先行指数、ユーロ圏Q1GDP(確報値)

8(木)日本4月国際収支、中国5月貿易収支、ECB理事会、英国総選挙、コミー前FBI長官上院情報特別委員会証言予定

9(金)中国5月CPI/PPI

 

<マーケットの焦点>

キーワード:FRB6月利上げ?コミー前FBI長官議会証言、欧州情勢(英国総選挙、仏総選挙、イタリア銀行不安、ギリシャ債務問題)、Brexit、日欧米金融政策、中国格下げ、原油価格

先週も米国のパリ協定離脱、5月米雇用統計発表があり、週末には再びISによるロンドンテロも発生しました。5月米雇用統計は失業率が4.3%と16年ぶりの低水準に低下したもののNFPRや平均時給は予想を下回りドルが全面安となりました。

ドル円は110円台前半に下落し、ユーロは1.12台後半、ポンドは1.29近辺まで上昇しました。

また雇用統計の弱い数字にもかかわらず、米債利回りの低下を受けてNYKダウとNASDAQは史上高値を更新しています。一方原油価格はリビアの増産報道を嫌気して再び47ドル台に反落しています。

今週の焦点は何と言っても8日(木)に集中する英国の総選挙とコミー前FBI長官の議会証言です。

先週の世論調査ではメイ首相の保守党と労働党の支持率の差が5%程度(調査機関によっては更に僅差)にまで縮小しており、加えて週末には再度ロンドンでISテロが起きており、メイ首相圧勝シナリオは大きく変わってきています。たとえメイ政権が勝利しても過半数割れの場合には、今後のEUとのBrexit交渉も強気で臨めなくなり、ハードBrexit観測が再び高まる可能性があります。

一方、コミー前FBI長官の議会証言はトランプ大統領が大統領権限で拒否するとの報道があります。それ即ち自身の疑惑を高める行為ですが、「証言されるよりはマシ」というなりふり構わずといったとことです。大統領の弾劾裁判成立の要件は厳しく、大統領としてはなんとかウヤムヤにしたいのでしょう。一方、ロシアゲートは有罪が成立すれば国家反逆罪にも問われる可能性があり、民主党はじめ共和党内の反トランプ勢力も追及の手を緩めることはないでしょう。

英国総選挙とロシアゲートが依然として今週の2大リスクですが、一方先週の米雇用統計の陰に隠れた形ですが4月の米国貿易収支は-476億ドルと相変わらず巨額です(予想-461億、前回-453億)。赤字相手国としては中国とEUが増え、日本、メキシコ、カナダなどはやや赤字が減少していますが、先日のG7サミットでも米国は「自由で公正で互恵的な貿易」を主張して声明文にも盛り込まれており、トランプ政権はロシア疑惑の矛先をかわすためにも、再度貿易黒字国への攻撃を強める可能性があります。

米雇用の減速は小職の見方として完全雇用に近づけば当然であると思いますが、さすがに減速傾向が更に顕著となれば、FRBの年内利上げ観測(6月プラス1回)も6月以降後退する可能性があります。

つまりISテロや英国総選挙やロシアゲートなどのリスク要因に加えて、米経済の現状を見てもドルが更に下落する可能性があると考えます。

 

 

<豪ドル相場>

先週のレンジ:AUDUSD  0.7372-0.7476  AUDYEN  81.90-82.97

今週の予想レンジ: AUDUSD  0.7350-0.7550  AUDYEN  81.00-84.00

今週の豪ドルは:上値の重い展開でしょう

先週豪ドルは原油の50ドル近辺への反発やユーロの上昇にサポートされた74セント台後半や83円近辺に反発ました。しかし週後半はリビアの増産報道を嫌気して原油が再度47ドル台に反落し、鉄鉱石も56ドル台に下落するなど商品相場が軟調であったことや、中国の5月財新製造業PMI(民間調査)が11か月ぶりに49.6と拡大/縮小の境となる50を切ったことを悪材料として73セント台後半、82円割れに反落しました。

ただ金曜日の米雇用統計を受けたドル全面安で対ドルでは74セント台を現在回復しています。

今週は水曜日に発表予定のQ1GDPが個人消費や設備投資の軟調から2%(前年比)を割り込む可能性があり、4月のハリケーンデビーのクィーンズランド州襲来によるGDP引き下げ効果(Q2)と合わせて、豪州経済は堅調であると今までの認識に変化が訪れば、RBAの利下げ観測が再燃する可能性があります。

商品相場の軟調や上記リスク材料に加えて景気不安と豪ドル弱材料が目立ちますが、米ドルが続落すれば、対ドルで豪ドルをサポートする形となります。(豪ドルは米ドルの受け皿)

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら