<今週の主な予定・イベント>
6/12(月)日本4月機械受注
13(火)独6月ZEW景況感指数、英国5月CPI/PPI、米5月CPI/PPI、OPEC月報、セッションズ米司法長官議会証言
14(水)中国5月鉱工業生産、小売売上高、米5月小売売上高/CPI、FOMC(経済予想公表、イエレン議長会見)
15(木)豪州5月雇用統計、BOE理事会、スイス中銀理事会、米5月鉱工業生産、米6月NYK連銀製造業景況指数、米新規失業保険申請件数、ユーロ圏財務相会合
16(金)日銀金融政策決定会合、米5月住宅着工件数、EU財務相理事会、ダラス連銀総裁講演
<マーケットの焦点>
キーワード:FOMC、司法長官証言、欧州情勢(英国総選挙、仏総選挙、イタリア銀行不安、ギリシャ債務問題)、Brexit、日欧米金融政策、中国格下げ、原油価格
先週は木曜日が“スーパーサースデー”で結果の順にECB理事会、コミー前FBI長官議会証言、英国総選挙が重なりました。
各イベントの結果の前に市場の動きとしては、金曜日にNYKダウは史上高値を更新する一方NASDAQは一旦史上高値を更新したのち、ITやハイテク株が一斉に売られて100ポイント以上反落するという荒い展開。また日経平均は2万円を維持し、先週急落した上海総合指数は反発するも、その他地域は欧州中心にやや軟調でした。
また商品相場は原油が45ドル台に続落するなど総じて軟調でした。
為替相場ではドル円の終値が110円台前半と前週とあまり変わりなく、保守党が後退したことからポンドが1.27台(一時1.26台)に下落し、ユーロも1.12割れとやや軟調でした。
ECB理事会では追加利下げを示唆するガイダンスが削除される一方、今回テーパイング(緩和縮小)の議論はされなかったと表明され、スタッフのインフレ予想が下方修正されたこともあり理事会後はユーロ軟調でした。
注目のコミー証言では「大統領からフリン捜査中止の命令は受けていないが、中止は大統領の指示と受け取った」と発言し、依然ロシアゲート疑惑は晴れませんでした。
また英国総選挙では保守党が第一党となりましたが選挙前の過半数を割り込むこととなり、メイ首相は自身の継続と北アイルランドの地域政党との連立(正式連立ではなく連携の可能性も)を発表しました。メイ首相辞任要求も強く、今後のBrexit交渉への影響も必至です。
また週末行われた仏国民議会選挙第一回投票ではマクロン氏の新党「共和国前進」が過半数を大きく上回る7割程度の圧勝予想となっています。
今週はやはり利上げが確実視されるFOMCと日銀会合、BOE理事会、スイス中銀理事会などの主要国金融政策が焦点となります。
FOMCではむしろ今後の金融政策方針(フォワードガイダンス)やスタッフの経済予想が注目されますが、残り年2回の強気予想よりは慎重な結果が予想され、その場合にはドルが売られる可能性があります。
また日銀会合ではマイナス金利の撤廃や、出口戦略についての言及があるかも焦点です。
その他ロシアゲート関連では、水曜日にセッションズ司法長官が議会証言をする予定です。同氏はロシア大使館員との選挙期間中の接触疑惑がもたれた人間で、大統領選ではトランプ陣営に参加しました。トランプ大統領に有利な証言をするのでしょうか?自身のロシアとの関わりに加えて、コミー解任への関与も質問の対象となりそうです。
今週米国サイドでは金融政策やロシアゲート関連が主な材料となり、英国はBrexit交渉が早ければ今週にも始まりますので選挙結果が気になるところ。一方欧州は仏選挙の結果を受けてポジティブです。
個人的には米ドル軟調、ポンド軟調、ユーロ堅調を見ています。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7422-0.7566 AUDYEN 81.78-83.39
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7400-0.7600 AUDYEN 81.00-84.00
今週の豪ドルは:上値の重い展開でしょう
先週豪ドルは軟調予想が外れ、むしろ堅調推移でした。
RBA理事会声明は従来の景気判断に大きな変化はなく、「1.50%の金利据え置きが長期のインフレ目標達成に寄与、豪ドル高は経済の調整を複雑化、雇用はまちまち、賃金の伸びは弱いが雇用の伸びは強い、実質賃金の伸びの弱さが消費を抑制、住宅投資はやや緩むサイン」と述べられました。ただ発表された Q1経常収支、Q1GDP、4月貿易収支はいずれも弱い数字となりましたが、豪ドルは大きく売られませんでした。
特にQ1GDPは前年比+1.7%と予想通りに+2.0%を割り込みましたが、むしろ市場は103四半期リセッション(2期連続のマイナス)がないオランダの最長記録(2008年に終わる)の並んだことを好感しました。
今回の豪ドルの反発の主因は、やはり米ドル安と、豪ドルショートポジションの“BUY ON FACT”の手仕舞いによるようです。
引き続き商品相場は軟調で、中国不安もありますので、75セント台、83円台で上値が抑えられる展開が予想されます。
今週木曜日には5月雇用統計が発表されますが、前回はpart-time-jobの大幅伸びとは言え雇用者数は+37.4千人、失業率は5.7%と非常に強い数字でしたが、反動がちょっと怖いですね、、
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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