<今週の主な予定・イベント>
6/19(月)日本5月貿易収支、地区連銀総裁講演(NYK、シカゴ)
20(火)FRB当局講演(フィッシャー副議長、ダラス連銀、ボストン連銀)
21(水)日銀議事録、黒田総裁挨拶、米5月中古住宅販売
22(木)NZ準備銀行理事会、ECB経済報告、米新規失業保険申請件数、パウエルFRB理事上院銀行委員会公聴会で証言
23(金)6月独・ユーロ圏製造業PMI、米5月新築住宅販売、FRB当局講演(パウエル理事、セントルイス連銀、クリーブランド連銀)
<マーケットの焦点>
キーワード:Brexit交渉開始、欧州政局(メイ政権、イタリア地方選挙、ギリシャ債務問題)、ロシアゲート問題、日欧米金融政策、中国格下げ、原油価格
先週はFOMCが市場の焦点でした。
原油はカタールへの国交断絶以降、OPECの減産合意が後退するとの観測や、需給バランスの悪化から44ドル台に続落し、商品相場が総じて軟調でした。
株価はNYKダウが史上高値を更新した以外、主要国株価はやや軟調でした。
FOMCでは予定通りにFF金利のターゲット・レートが従来の0.75-1.00%から1.00-1.25%に引き上げられ、バランスシートの年内縮小開始と、更に年内1回の利上げ見通しが明らかになりました。
FRBの正常化堅持の姿勢が好感され米国株価は堅調推移し、ドル円は111円台まで上昇しましたが、経済指標的には5月小売売上高、鉱工業生産、住宅着工共に軟調で、週末に向けて110円台後半に反落して越週しています。
今週の注目は本日開始が予定される英国とEUとのBrexit交渉の行方、トランプ大統領のロシアゲート問題の進展となります。
選挙で過半数割れとなったメイ首相はBrexit離脱方針を軟化するようであれば、党内の強固派の反発を買う可能性があります。
また今週はFRBの各当局者の講演が相次ぎます。(フィッシャー副議長、パウエル理事、NY FED、シカゴFED、ダラスFED、ボストンFED、セントルイスFED、クリーブランドFED)
先週のFOMC後、年内更に1回のドットチャート(スタッフ予想)とは裏腹に、市場の年内利上げ織り込みは40%前後となっています。
先週発表された米国の各種経済指標は不冴えなものが多く、FRB当局から慎重な意見が出れば、ドル売り材料視される可能性があります。
週末の仏国民議会決選投票でマクロン政権の優位が確定し、英国総選挙とともに欧州の主要選挙が終わり、今週は米国の金融政策や経済指標、更にはロシアゲートなどが焦点となります。また今朝発表された日本の5月通関ベースの貿易収支は-2,034億円(予想+433億円、前回+4811億円)と4か月ぶりの赤字となっており、今後再び赤字傾向となるのであれば円買い需要が後退する(ドル円上昇)ことになり注目されます。
<豪ドル相場>
先週のレンジ:AUDUSD 0.7524-0.7635 AUDYEN 82.59-84.81
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7500-0.7700 AUDYEN 82.50-85.50
今週の豪ドルは:現レベル中心の揉み合いでしょう
先週豪ドルは国内的には非常に強い5月雇用統計を好感し、ユーロやポンドなどの欧州通貨高にフォローする形で76セント台前半、84円台後半まで上伸しました。
依然として原油はじめ商品相場は軟調であり、また中国経済(信用不安)に対する懸念もありますが、取り敢えず足元の欧州政局不安が後退し、北朝鮮懸念が一服するなど、大きなリスク要因が遠ざかりリスク回避の動きが後退していることも、豪ドル環境を良くしていると言えます。
今週も豪ドルは米ドルの強弱を見ながら揉み合いが予想されますが、先週の予想を上回る雇用統計の効果も徐々に後退するものと思われます。
豪ドルは暫く高値圏での推移が予想されますが、もう一段高(例えば80セントや90円を目指す動き)には材料不足の感は否めません。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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