「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
28(月)独仏西伊首脳会談(パリ)、英国Summer Bank Holiday 29(火)日本7月雇用統計、米8月消費者信頼感 30(水)豪7月住宅建設許可件数、米ADP雇用者数、米Q2GDP改定値、メイ英国首相来日(~1日) 31(木)豪Q2民間設備投資、中国8月製造業PMI、独8月雇用統計、ユーロ圏8月CPI、米7月個人所得収支、米8月中後住宅販売、新規失業保険申請件数 8/1(金)中国8月財新製造業PMI、米8月ISM製造業景況指数、米8月雇用統計
先週は週初から米韓合同軍事演習が行われ、また金曜日の北朝鮮の先軍節(金正恩の父金正日が軍事優先政策に転換した記念日)を控えて地政学的懸念が高まりました。 主要国の株価は揉み合いで、原油価格は米国の大型ハリケーンによる経済への打撃が懸念され48ドル台から47ドル台にやや軟化しました。 実際に北朝鮮は26日早朝に短距離ミサイルを発射しましたが米朝間の緊張も予想されたほどではなく、ジャクソンホールシンポジウムを控えてドルを買い戻す動きが活発し、ドル円は一時109円台後半に上昇し、ユーロは1.17台前半に下落しました。 しかしトランプ大統領が「メキシコの壁建設の予算獲得のために政府機関閉鎖もいとわない」、「NAFTAいずれかの時期に廃止の可能性」と述べ再度ドル売りを誘いました 注目のイエレンFRB議長とドラギECB総裁の講演は金曜日に行われましたが、例年と異なり、今年は欧米中銀トップから具体的な金融政策や為替相場に対する言及はありませんでした。金融政策意図は7月のFOMCやECB理事会で十分に市場に伝わっているとの考えがあるのでしょうか。ただイエレン議長が「金融規制緩和は控えめであるべき」と規制緩和牽制発言を行ったことが、トランプ政権の規制緩和志向と相容れないとして発表後はドル円が109円台前半に反落。一方ドラギ総裁は「インフレ目標にはまだ達していない、対応がまだ必要」と述べ、一部予想されたユーロ高けん制発言もなかったこととイエレン発言を受けて1.19台半ばに急反発しました。 ジャクソンホールシンポジウムはやや“肩透かし”に終わった感がありますが、今週は北朝鮮問題、トランプ政策そして中国の8月製造業PMI(政府・民間発表)や米国の8月雇用統計が注目されます。 FRBとECBの金融政策については、ジャクソンホールで明確な指針が与えられませんでした。9月の両中銀政策会合を展望しますとFOMCではQE縮小開始の可能性が高く、利上げについては慎重な姿勢が確認されそうです。一方ECBは7月の理事会で「秋に決定を下す」と述べており、11月は理事会がないだけに9月か10月の理事会でのQE縮小開始の可能性があります。今回のジャクソンホールでもドラギ総裁はどちらかというと慎重姿勢でしたが、市場を「アッと」言わせるのが好きな同総裁は9月に“したり顔”でQE縮小を発表するのではないでしょうか。 また最近トランプ大統領は再び保護主義、排他主義的発言を繰り返しており、トランプ政策の実行遅延とともにドル売り材料視されます。 米朝間の緊張は依然高く、上記材料を総合すると、やはりドルが下値をテストする可能性が高いでしょう。ただドルが下がりっ放しとならず、下落一服後は調整買戻しという不安定な相場展開が継続しそうです。
先週のレンジ: AUDUSD 0.7866-0.7954 AUDYEN 85.93-86.98 今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7800-0.8000 AUDYEN 85.00-88.00
今週の豪ドルは引き続き米ドル相場を見ながらのアップダウンの揉み合い相場でしょう。
先週の豪ドルは商品相場(特に原油や鉄鉱石価格)が比較的堅調であったことや、米朝間の緊張も一時ほどではないこと、更には米ドルの軟調が下値をサポートしました。 再び79セント台半ば、86円台後半に反発し、対NZドルでは1.09台と5月の年間高値に並んでいます。今週は国内指標としては30日(水)の7月住宅建設許可件数(前月比予想 -5.0%、前回+10.9%)と木曜日のQ2民間設備投資(前期比予想+0.2%、前回+0.3%)がありますが、特に民間設備投資は住宅ブームにやや陰りが見られるため下落する可能性があり、その結果が注目されます。 また中国の8月製造業PMIは最近50割れの可能性がやや後退していますが、前回レベル51.00近辺から改善が見られるようであれば豪ドルサポート要因となるでしょう。 ただ焦点はやはり米ドルの動きであり、その原因となるトランプ政策や米国8月雇用統計など米国発の材料ということになります。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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