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シドニー発豪ドル見通し(30 October 2017)

<今週の主な日程・イベント>

10/30(月)米9月個人所得収支、米9月PCEデフレータ 31(火)日本9月雇用統計、日銀会合(黒田総裁会見)、中国10月製造業PMI、米10月消費者信頼感指数 11/1(水)中国10月財新製造業PMI、米10月ADP雇用者数、米10月ISM製造業景況指数、米FOMC 2(木)BOE理事会、英中銀議事録、英中銀四半期インフレ報告、米新規失業保険申請件数、アトランタFED総裁/パウエル理事講演 3(金)日本文化の日祝日、中国10月財新サービス業PMI、米10月雇用統計、米10月ISM非製造業景況指数、ミネアポリスFED総裁講演、アップルiphone X発売

 

<マーケットの焦点>

先週は引き続きダウが史上高値を更新し(26,485ドル)、日経平均も21円ぶりの高値を更新し(22,088)、商品相場も原油が54ドル台に上昇するなど堅調推移し、総じてリスク選好相場が継続しました。 北朝鮮は改めて太平洋上での水爆実験の可能性を示唆しましたが、市場に大きな動揺は見られず。 むしろECB理事会で、来年以降少なくとも9月までQEの金額を月額600億ユーロから300億ユーロに減額した上でQE継続を発表しました。これ自体は市場の予想範囲内ですが、ドラギ総裁は「大規模な刺激策が引き続き必要、コアインフレはまだ上昇トレンドが確認できない」と慎重姿勢を示したことからユーロは1.16台前半、131円台前半に大幅下落。 また発表された米国のQ3GDP(速報値)が前期比年利率で+3.0%(予想+2.6%、前回+3.1%)と予想を上回りドル円は114円台半ばに上昇し、ユーロは1.16割れまで続落しましたが、その後トランプ大統領はハト派のパウエル理事を支持するとの観測や、カタルーニャの独立宣言が出てリスク回避色になったことからドル円は113円台半ばに反落し、ユーロも1.16台を取り戻して越週しました。 今週の焦点はやはり今週中に予定されるFRB議長人事や日銀会合、米国FOMC、英国中銀理事会などの主要国中銀会合や米国の10月雇用統計などです。 日銀会合では政策の現状維持な確認されるでしょう。一方FOMCでは12月の利上げに対してどの程度踏み込んだ発言がなされるかが焦点でしょう。 また先週発表されたQ3GDPが予想を上回り英国中銀は政策金利を0.25%から0.50%に引き上げることが予想されます。 10月米雇用統計では失業率が前回同様に4.2%程度、NFPRは前回の-3.3万人から+31万人に増加、平均時給は前回の+0.5から+0.2に低下予想です。 よほど悪い数字とならない限り12月の利上げ観測を覆すことにはならないでしょう。 米利上げ観測や最近の強い指標からドル堅調地合が予想されますが、一方ハト派のパウエル理事が次期FRB議長に任命される可能性があります。また週末にロシアゲートを捜査中のモラー特別検察官は本日ロシアゲートに関わる起訴・不起訴の陳述を行う予定であり、マナフォート元選対本部長やフリン元大統領補佐官への調査結果も発表される予定です。 元トランプ大統領側近の起訴とでもなればドルは下落するでしょう。 今週も引き続き不安定な相場展開となりそうです。

<豪ドル相場>

今週の豪ドルはやや軟調な展開が予想されます

先週のレンジ: AUDUSD   0.7625-0.7834   AUDYEN 87.03-89.07 今週の予想レンジ: AUDUSD   0.7550-0.7750 AUDYEN 86.00-89.00

先週の豪ドルは対米ドル対円共に軟調推移しました。 米ドル堅調地合の中ユーロの大幅下落にフォローした形ですが、一方発表された発表されたQ3CPIがヘッドライン(全項目)が前期比+0.8%(前回+0.2%)、前年比+2.0%(前回+1.9%)、RBAが重視するアンダーライイング・インフレーションは+0.5%(前回+0.5%)、前年比+2.0%(前回+1.8%)と共に事前予想を下回ったことから、RBAの利上げ観測が更に遠ざかる結果となりました。 今週は主な国内指標の発表ありませんが、発表予定の中国10月製造業PMI(政府発表)と財新製造業PMI(民間)が注目されます。 豪ドルは米ドル堅調地合の中売り圧力が依然強いですが、75セント台、85-86円台では本邦個人投資家の買い意欲が強まることが予想されます。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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