「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
1/29(月)米12月個人所得収支
30火)トランプ大統領一般教書演説、日本12月雇用統計、カーニーBOE総裁議会演説
31(水)豪州Q4CPI、中国1月製造業PMI、FOMC、米1月ADP雇用者数、米12月中古住宅販売成約指数
2/1(木)米1月自動車販売、米1月ISM製造業景気指数、米新規失業保険申請件数
2(金)米1月雇用統計、米12月製造業受注、SF連銀総裁講演
先週も為替相場は大きく変動しました。
前週末に失効した米国の暫定予算案が超党派での可決を得て2/8まで“つなぎ合意”されたこともあり米国の株価は連日史上高値を更新して越週しています。 一方為替相場は乱高下しましたが結局ドル安圏で越週しています。ドル円のレンジは高値111円台から一時108円台に下落し、ユーロは1.22台から一時1.25台に、ポンドは1.35台から一時1.43台へと上昇し、ドル全面安状態です。
米国の暫定予算案が可決され、日銀政策会合では黒田総裁が緩和継続を強調して一時円安に振れましたが結局ドルの上値は限定的でした。 加えて水曜日にダボスの世界フォーラムに参加中のムニューシン米財務長官は「ドル安は貿易にとって良い」として「ドル安容認」とも取れる発言をしドル円は108円台後半に下落。
しかしその後トランンプ大統領が「最終的には強いドルが望ましい」と発言して木曜日には109円台後半に反発し。
金曜日にはダボスでの黒田総裁の発言「日本経済は緩やかな拡大を継続、日本は2%のインフレ目標に漸く近い状況にある、日本の労働力が不足しつつある」などがややタカ派的と受け取られてドル円は一時108円台前半に続落後、日銀が「黒田総裁はインフレ見通しを修正していない」と修正を出したことで再び108円台後半に反発するなど、かなりの乱高下を演じました。
またダボス会議で米国のロス商務長官は中国の知的所有権侵害に対する報復措置の可能性や更なる輸入関税に言及するなど保護主義的主張をする一方、トランプ大統領は条件次第ではTPP復帰を示唆するなど、通商面でもトランプ政権内部の足並みの乱れが露見しました。
またECB理事会後にドラギ総裁は「ユーロの過度の変動は不確実性を与える、年内に利上げの可能性は小さい」とユーロ高をけん制する発言をしましたが、上昇モーメンタムを得ているユーロの上昇は止まらず一時2014年12月以来の1.25台まで上昇。ポンドも2016年6月以来の1.43台に上昇するなど「ドル全面安」状態です。
今週はイベント的には30日のトランプ大統領の一般教書演説やFOMC、米12月の雇用統計などがあります。
先週はドル相場を巡るムニューシン財務長官やトランプ大統領の発言が相場を乱高下させましたが、今週もトランプ政権の「ドル政策の真意」を見極める展開となります。
またトランプ大統領の一般教書にはインフラ投資政策など期待感が高まっていますが、期待外れに終われば再び足元のドル安を加速する可能性があります。
今回のFOMCはイエレン議長にとって最後のFOMCとなりますが、3月利上げに向けてどの程度言及されるか、また今年の利上げ回数が3回なのか?それ以下か?それ以上か?市場の関心が高まります。
年初からドル相場は下落していますが、ロシアゲート疑惑もいよいよ佳境に入ってくること、更に日銀の出口戦略に対する市場の“出口催促相場”が継続する可能性もあり、足元欧州通貨がリードするドル安地合が継続する可能性があります。 ただ短期筋のドルショートも積み上がっており、先週同様にアップ&ダウンの乱高下は避けられそうにありません。
今週の豪ドルは高値圏での乱高下の可能性があります
先週のレンジ: AUDUSD 0.7956-0.8135 AUDYEN 87.70-89.07
今週の予想レンジ:AUDUSD 0.7950-0.8150 AUDYEN 87.00-89.00
先週の豪ドルは対ドルでは2015年5月以来の高値0.8135を付けましたが、対円ではドル円の下落もあり88円を挟んだ動きとなりました。
ドル全面安に加えて商品相場の上昇、堅調な国内指標(11月小売売上高、12月雇用統計)がサポートし、更に先々週のカナダ中銀の利上げの連想でRBAの利上げ時期も従来の来年2月から今年11月に前倒しされていることも豪ドルをサポートしました。
2月には今年最初のRBA理事会がありますが、豪ドル高牽制がどの程度見られるか? 昨年8月に豪ドルは80セント近辺、89円近辺と現レベルと同様の水準でしたがロウ総裁は「現在介入の用意はないが動きが極端になれば介入の用意をする」と述べています。
ただしその時の商品相場はCRB INDEXが177(現在203)、原油価格は46㌦(現在66㌦)、鉄鉱石価格は71㌦(現在74㌦)と現在よりかなり低かった点は状況が異なります。
ほぼ満点のサポート要因でここまで上昇してきた豪ドルですが、市場の豪ドル買いポジションの積み上がりも顕著であり、調整反落の可能性には留意すべきと考えます。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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