「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
2/5(月)米1月ISM非製造業景況指数、非製造業景況感指数
6(火)RBA理事会、豪州12月貿易収支・12月小売売上高、米12月貿易収支、セントルイス連銀総裁講演
7(水)地区連銀総裁講演(NY、ダラス、シカゴ、SF)
8(木)日本12月国際収支、NZ準備銀行理事会、中国1月貿易収支、ECB経済報告、BOE理事会(四半期インフレ報告)、米暫定予算期限、地区連銀総裁講演(ミネアポリス、カンザスシティー、フィラデルフィア)、新規失業保険申請件数
9(金)中国12月CPI・PPI、第23回冬季オリンピックピョンチャン大会開会(~25日)
先週もトランプ大統領の一般教書、FOMC、米雇用統計、ロシアゲート問題の進展などのイベントがありましたが、NYKダウはじめ株価はやや反落し、一方ドル円が110円台を回復するなど、ドルが全般的に強含んでいます。
前週に「ドル安は米貿易にとって良い機会」と発言してドル下落を誘ったムニューシン財務長官も、その後のトランプ大統領の「最終的に強いドルが望ましい」にフォローする形で「安定した強いドルは米国の国益」と発言しています。 真意のほどは良く分かりませんが、巨額の貿易赤字を勘案すれば足元ドル安が望ましいが、これまた巨額の米財政赤字の海外ファイナンスの問題もあり、長期的には“安定したドルが望ましい”といったところではないでしょうか。
トランプ大統領の一般教書演説では予想通りに好調な経済や株価を政策成果として強調し、国民の融和を求めるなど11月の中間選挙を意識したものとなりました。
また改めて北朝鮮非難を強めています。 FOMCでは「緩やかな利上げ継続」が確認され、また1月の米雇用統計はNFPR、平均時給共に予想を上回り発表直後ドル円は110円台半ばまで上昇しました。
ロシアゲート関連ではFBIの不当捜査の疑いを示唆した下院情報特別委員会のニューネス委員長(共和党)のニューネス・メモがトランプ大統領の承諾を得て公表され、同大統領は改めて“無実”を主張しています。
機密事項が記載され、しかも正確性に懸念があることからFBIは発表を控えるように求めていましたが、実際に発表されたことで、FBIレイ長官辞任の思惑も取り沙汰されています。
先週で足元の大きなイベントは通過した感がありますが、今週も8日には再び米暫定予算の期限が到来します。現在3/22当たりまでの再延長策が下院で議論されているようですが、あまり楽観視はできないと思います。 また今週は多くのFRB地区連銀総裁の講演がありますが、パウエル新議長の下、“緩やかな利上げ”に対してハト派・タカ派各総裁発言に注目されます。
また先週のニューネス・メモ発表に対するFBIの反応や、モラー特別検察官の言動にも要注意ですがロシアゲートもいよいよ佳境に入ってきた感があります。
更に先週はユーロやポンドがECBやBOE当局者のタカ派的発言でそれぞれ1.25台、1.42台まで一時上昇し、その後ドル買戻しの動きでやや反落していますが、Brexit交渉の進展とともに欧州通貨動向も注視する必要があります。
先週ドル円は直接的には強い米1月雇用統計を受けて1/24のムニューシン発言による大幅下以前の水準110円台を回復しましたが、果たしてこのドルの反発がトレンドになるのか試される週となりそうです。
6日には米12月の貿易収支が発表されますが予想は521億ドルの巨額赤字です。また3月の日本期末に向けたリパトリ(資金還流による円買い)は既に始まっています。
今週の豪ドルは上値の重い展開となりそうです
先週のレンジ: AUDUSD 0.7918-0.8118 AUDYEN 87.24-88.49
今週の予想レンジ:AUDUSD 0.7850-0.8050 AUDYEN 85.50-88.50
先週の豪ドルはドル相場が反発する中79セント台前半、87円台前半まで反落しました。
発表されたQ4CPIが予想をやや下回り落ち着いた数字となったこともRBAの利上げ観測を後退させました。CPIは5四半期連続でRBAのターゲット2-3%を下回っています。
今週は今年最初のRBA理事会が開催されますが一時81セント台まで上昇した豪ドルに対するRBAの評価が注目されます。 豪州の貿易収支は10月11月と再び赤字に沈んでいます。
今週国内指標では6日に12月の貿易収支と小売売上高が発表されますが両方とも重要視されます。
12月は鉄鉱石価格が大幅上昇していますが果たして予想通りに再び貿易黒字に戻るか?また11月の小売売上高はプレセールスの影響で+1.2%と非常に強い数字となりましたが12月のクリスマス商戦を先取りしたとの見方もあり、反動が懸念されます。
更に8日の中国1月貿易収支は12月の輸入が大幅に減少した後であるだけに要注意です。
ドル軟調地合の中、12月から上昇トレンド築いてきた豪ドルですが、ドルが反発地合となれば上値が重くなるでしょう。また足元の主要国の株価の下落が調整の範囲内で収まらない場合には、リスク回避色が再び強くなる可能性もあります。
今週は先週見られた豪ドルの反落が一時的な調整か、あるいは既にピークを打ったのかを確認する週となりそうです。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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