いざオーストラリアから日本へ帰るとなった時に、長く生活していたオーストラリアでの荷物がいつの間にか増えているということもありますよね。
ましてや家族で引越しとなると、荷物の量も増えて、すべてのものを日本へ持って帰ることが難しくなります。その場合、オーストラリアで荷物の処分方法も検討しなければいけません。
ここでは、オーストラリアから日本への引越しをする場合の基本的な手順と注意点、オーストラリアならではの荷物の処分方法をご紹介します。
基本的にオーストラリアから日本への引越しは、日本からオーストラリアへの引越し方と同じ手順です。オーストラリアから日本へ荷物を輸送する場合、日本はオーストラリアよりも検疫が厳しくないので、比較的スムーズに荷物を送ることが可能です。
オーストラリアから日本へ引っ越す場合の手順は以下です。
日本に引越しをする前にしなければならないのが、現地で生活するための物件探し。日本での物件探しはいくつかの方法があります。
オーストラリアから日本に帰国後、すぐに入居したい場合は、日本への一時帰国を利用して賃貸物件を探すもしくは物件を購入する方法があります。あらかじめオーストラリアで物件情報や周辺の環境を調べておくと、日本への帰国後すぐに入居できる賃貸物件を見つけやすかったり、購入物件の手続きをスムーズに進められたりして、引越しをすることができます。
日本へ一時帰国中に物件探しが難しかったり、一時帰国する予定がない場合は、生活拠点になる新居が見つかるまで仮住まいに滞在するのもひとつ。日本への帰国前に、一時的な滞在先としてウィークリーマンションなどを予約しておけば、日本への帰国後すぐに仮住まいが確保されます。また、オーストラリアから送った引越し荷物の送り先を仮住まいに指定できるので、現地での荷物の受け取りも安心です。
もし日本に持ち家や戻れる実家がある場合は、新たに物件を探す必要がないので、少ない負担で日本へ引っ越しができます。また、オーストラリア滞在中の引越し準備をする段階で、日本へ引越し後の荷物の送り先がわかっているので、引越し作業がスムーズに進みます。
オーストラリアにはいくつかの引越し会社があり、日本語にも対応しているところがあります。日本からオーストラリアで引越しをする時と同じように、まずオーストラリアの引越し業者に問い合わせ、引越しの予算や輸送方法を見つけます。この際に、荷物を輸送する見積もりを取りましょう。荷物の見積もりを取ることで、予算と荷物の輸送方法の他にも、輸送期間を見ることができるのでおすすめです。
オーストラリアから日本へ荷物を送る方法には、船で荷物を運ぶ海上輸送(船便)と飛行機で荷物を運ぶ航空輸送(航空便)があります。以下の点を踏まえた上で、荷物の輸送方法を選びましょう。
輸送方法 | メリット | デメリット |
海上輸送(船便) | ◯ 大きな荷物が輸送できる ◯ 航空輸送と比べて、荷物の輸送費用が安い |
●航空輸送と比べて荷物の輸送に時間がかかる ●輸送中の気温の変化が大きく、気温差による荷物への負担が大きい場合もある |
航空輸送(航空便) | ◯ 海上輸送と比べて、荷物の到着が早い ◯ 輸送中の気温の変化が少ないため、気温差による荷物への負担が少ない |
●輸送できる荷物の容量が少ない ●海上輸送と比べて、荷物の輸送費用が高い |
日本での検疫検査にかかる期間がオーストラリアよりも短いため、オーストラリアから日本までの荷物の輸送にかかる期間は、日本からオーストラリアまでの荷物の輸送にかかる期間よりも短めです。荷物の輸送方法によってかかる期間の目安は以下の通りです。
日本へ海上輸送する船便の場合、荷物がオーストラリアから日本に輸送されるまでおよそ数週間かかります。航空便と比べて輸送期間が長いので、ゴルフバックや家具・家電などの大きいものや、日本へ引越してすぐに必要としないオフシーズンの衣類などの荷物は、船便で送るといいでしょう。
日本へ航空輸送する航空便の場合、荷物がオーストラリアから日本へ輸送されるまで、数日~数週間かかります。航空輸送の場合は輸送できる荷物の容量が少ないので、日本へ引越してすぐに必要な日用品や衣類を送るといいでしょう。
日本へ送らない荷物はいくつかの方法で処分することができます。その中にはオーストラリアならではの処分方法もあるので、しっかり理解しておきましょう。
日本に送らない荷物を譲れる知人や家族がオーストラリアにいれば、荷物を処分する費用や手間がほとんどかかりません。引越しを考え始めた段階で日本へ送らない荷物の譲り先を見つけておくと、引越し作業がスムーズに進みます。
もし、オーストラリアの知人や家族の中で譲り先が見つからなかった場合は、日本へ送らない荷物は売却を考えてもいいでしょう。
オーストラリアではリサイクルが非常に盛んなので、古いものでも捨てずに慈善団体などに寄付し、セカンドハンド(中古)の商品として再利用されることも度々あります。
慈善団体やリサイクルショップなどへ荷物を発送したり回収してもらったりすることも可能ですが、衣類のような容量が少ないものは、直接そこへ持参するといいでしょう。
引越しまで時間がある場合は、自宅でガレージセールをするのもひとつの方法。こちらの方法もオーストラリアでよく利用されています。不要な荷物の処分と同時に、収入になる場合もあるので一石二鳥です。また、リサイクルショップに荷物を持っていく必要もなく、大きな荷物も自宅で処分できるのが特徴です。
購入してから日が浅く、状態のいい家具や家電、自転車などはインターネットを利用してみるのもいいでしょう。
当サイトのクラシファイドやオーストラリアの大手ウェブサイト「Gumtree」などの掲示板を利用すれば、希望に近い価格で不要な荷物が売れるかもしれません。
インターネット上で取り引きをする場合、購入希望者からの連絡が途絶えたり、約束した受け渡し場所に本人が現れないといったケースもあるので、時間的な余裕をもって慎重に取引を進めましょう。
当サイトでは日本人とのやりとりが基本なので、オーストラリアの他のウェブサイトで英語でやりとりをするよりは、比較的安心して取引できるかもしれません。
オーストラリアから日本に送らない荷物を譲る・売る手間などを考えると、思いきって荷物を廃棄してしまう方が簡単で安上がりな場合もあります。
家庭ゴミとして廃棄が難しい大きな家具や家電の場合は、お住まいの市(Council)のゴミ処理場やリサイクルセンターへその荷物を直接持参するか、もしくは市に連絡して、粗大ゴミとして回収を依頼します。
市によっては、廃棄できる粗大ゴミのサイズや費用(無料の場合もあり)などが変わってくるので、事前に市のウェブサイトで確認しましょう。
過去の「帰国の準備あれこれ」の記事はこちら:不用品をエコ&スマートに処分する!帰国前に整理しよう【帰国前にやること】
オーストラリアと比べて日本の検疫はそこまで厳しくありませんが、日本にも持ち込みが制限されるものや禁止されているものはあるので注意が必要です。穀物を含む植物や動物由来製品などは、検査証明書を提示したり、空港での植物・動物検疫検査を受けたりする必要があります。
オーストラリアから日本に持ち込める植物リスト(タスマニア発を除く)
肉製品の病気が発生しており、また、おみやげや個人消費用のものは検査証明書の取得が難しいため、肉製品や動物由来製品を日本へ持ち込む際は注意が必要です。
日本へ入国する際に、日本へ別送した引越し荷物を後日受け取るためには、税関で携帯品・別送品申告書を提出しなければいけません。
引越しの荷物を別送している場合は、携帯品・別送品申告書の項目に別送品の有無を記入する欄があるので、「はい」にチェックを入れ、別送した荷物の個数を書きます。
別送品がある人で、さらに日本入国時の携帯品の中に日本円1万円以上の価値がある場合、申告書の裏面(B面)にその品名をすべて記入します。
その申告書が書けたら、同じ内容を記入したものをもう1部用意する必要があります。提出する申告書のうち、1部は税関に回収され、もう1部は確認印が押されて返却されるので大切に保管しましょう。
返却された申請書は、オーストラリアから日本へ輸送された荷物の受け取りの際に必要になります。
荷物をオーストラリアから輸送する際には、荷物の外装、税関告知書、送り状などに「別送品」と明確に表記し、入国(帰国)者本人宛にします。「別送品」の表記がない場合は、その荷物に課税される場合があるので注意が必要です。
日本かオーストラリアで生まれた犬・猫、もしくは海外で生まれた犬・猫でもオーストラリアに6カ月以上在住している記録があれば、手続きをすることによって日本へ連れて帰ることがことができます。
もし6カ月以上オーストラリアに在住していない場合は、飼い主が日本に入国する際に動物検疫所の係留施設にペットを預けて、その不足している日数のあいだ、施設で係留検査を受けることになります。日数を満たして検査に通ったペットは、飼い主と日本で暮らせるようになります。
しかし、どんな条件にしろ、ペットにマイクロチップが埋め込まれていて、日本の読み取り機でその番号が確認できることがペットの入国の前提なので、事前にオーストラリアの動物病院でペットにマイクロチップを埋め込んでおく必要があります。
その他の動物も日本へ連れて帰ることができますが、条件や手順がさまざまなので、日本の動物検疫所のウェブサイトで確認することをおすすめします。
オーストラリアから日本へ持ち帰る荷物は、輸送すべきものと手荷物で持っていくべきものに分かれます。以下の要点を踏まえた上で荷物を仕分け、梱包しましょう。
日本へ引越してからも、オーストラリアで使っていた大きな家具・家電などを使いたいという人は、海上輸送(船便)または航空輸送(航空便)で荷物を送るといいでしょう。もし、輸送する荷物の損傷や紛失が心配という場合、オーストラリアの貨物保険に加入すると安心です。万が一損害が起きた時に補償されます。
オーストラリアから日本への引越しで、貴重品や壊れやすいもの(カメラ、パソコン、タブレット端末など)は、手荷物や預け入れ荷物として日本への渡航時に持ち込みましょう。また、日本到着後すぐ必要となる日用品や衣類なども、手荷物や預け入れ荷物として持っていくと、日本到着後スムーズに生活環境を整えることができます。
オーストラリアから日本への荷物輸送は、梱包にも注意が必要です。特に海上輸送は気温や湿度の変化が大きく、長期間の荷物の輸送となるので、できるだけ荷物への負担がないような梱包が大事です。
航空輸送は海上輸送と比べて荷物への負担は少ないものの、荷物の積み下ろしによる衝撃を受けるので、しっかりと荷物を梱包しましょう。
自分で日本へ送る荷物の梱包をするのが不安な人は、オーストラリアの引越し業者に荷物を梱包してもらうのもいいでしょう。引越し業者によっては荷物のための梱包資材を用意してくれたり、梱包サービスがあるので、そちらを利用すれば損傷のリスクを抑えられます。
A. 船便は家具や家電などの大きな荷物、航空便では到着後すぐに使う荷物を送るのが基本的な仕分け方です。船便だと輸送できる容量が大きく航空便と比べて低コストですが、輸送期間が長いので日本へ到着後すぐに使用したいものの輸送には向いていません。
航空便だと船便よりも日本までの輸送期間が短くなりますが、船便と比べてコストが高く、輸送できる容量も少なめなので大きな家具や家電などの輸送に向いていません。
以上の点を考慮して、荷物に合った輸送方法を選択しましょう。
A. 日本入国時に配布され、税関の前にも設置してある「携帯品・別送品申告書」に、日本へ輸送する引越し荷物があることを申告しなかったり、輸送する荷物に「別送品」の表記がなかったりする場合は、その荷物が輸送された時に日本で課税される可能性があります。引越しの荷物を輸送する際には、これらの申告や荷物に「別送品」と表記するのを忘れないようにしましょう。
オーストラリアから日本へ別送する荷物に関する詳細は、税関のウェブサイトから確認できます。
A. もし日本に輸送する荷物の梱包が心配な場合は、引越し業者に任せるのもひとつの手です。梱包作業をサービスやオプションでしてくれる引越し業者もあるので、引越し業者に問い合わせる際に尋ねてみましょう。
日本へ引越しをするのは、オーストラリアへ引越しするよりも比較的簡単ではありますが、国をまたいだ引越しということで注意しなければいけないことも少なくありません。
引越し業者を利用することで、日本へ引越しの際のリスクを最小限に抑えることが可能なので、まずはオーストラリアから日本への引越しを取り扱っている引越し業者に問い合わせることが、安全な日本への引越しへの第一歩でしょう。
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