犯罪被害時の行動
強盗・暴行にあった場合の対処
オーストラリアは治安の良い国で、強盗や暴行事件に巻き込まれるケースは少ないですが、日本と比べれば発生件数は少なくありません。安心せずに注意を払うことが重要です。
オーストラリア全都市で共通して、アルコール絡みの暴行・傷害事件の発生率が高く、特に週末の深夜の時間帯は、パブやナイトクラブが多い繁華街で飲酒に絡んだ暴力事件やトラブルが多発しています。深夜の不必要な外出や単独での行動はなるべく控えるようにしてください。
性犯罪及びDV関連の暴行、傷害は増加傾向にあり、近年の社会問題となっています。
日本人の犯罪被害もありますので、事件・事故やトラブルに巻き込まれることがないよう、自らの安全に十分に留意してください。
身近な強盗・暴行事件
ナイトライフが盛んな地域では、酔っ払った客同士の喧嘩やトラブルが特に週末の夜に発生することがあります。自身や友人が巻き込まれないよう、飲みすぎには注意し、怪しい行動をする人からは離れるよう心がけましょう。また、薬物が絡んだ暴行事件も報告されていますので、薬物には決して関与しないよう注意してください。
ワーキングホリデーや留学中の日本人女性が性的暴力に巻き込まれるケースもあります。出会い系サービスやSNSを通じた出会いにはリスクが伴うため、初対面の相手と会う際には安全な公共の場所を選び、2人きりで会わないようにしましょう。ファームなどでの性被害も発生しています。文化や社会的な慣習の違いによる誤解を避けるためにも、リスクを理解し、自己防衛を心がけることが大切です。
シドニー、メルボルン、ブリスベンなどの大都市では、夜間に人気のないエリアを歩く際に強盗に遭うリスクが高まります。路上でのひったくり事件も発生しています。また、公園やサーフィン・海水浴中、観光地、遊園地などでは車上狙いがあるため、車外から見える位置に荷物を放置せず、駐車場所にも十分注意を払ってください。
強盗・暴行にあわないために注意すること
自分の住まいのエリアの治安情報は確認しましょう。明るい時間帯に近所の通りやバス停、駅までの複数のルートを把握しておくことが大切です。また、有事に限らず自分が困った時にサポートしてくれるので隣人や地元住民と良好な人間関係を築いておくといいでしょう。
他にも以下のような行動も心がけてください。
- 防犯アラームやホイッスルを携帯しておく。
- 必要以上の現金は持ち歩かない。
- できる限り人通りが多く、明るい道を選んで歩く。
- 車は人通りが多く、明るい場所に停めるようにする。
- 夜間の一人歩きは避け、昼間でも人通りのない場所には立ち入らない。
- 歩行中はスマートフォンの操作を控え、周囲に注意を払う。
- イヤホンは外音を遮断せず、大音量で使用しないよう心がけ、耳で周囲に注意を払う。
- 酔っ払いや変質者には近寄らない。
- 電化製品や設備の点検のために家に入ることを要求された場合、身分証明書を見せてもらってから家に入れる。怪しい場合は相手の会社に電話して確認する。
- 在宅中でも出入口は施錠する。
- 身に覚えのない訪問者や不審な訪問者が来た場合は、ドアチェーンをかけて対応する。
- UBERなどのサービスを利用する際は、自分がオーダーした運転手であるかをしっかり確認してから乗車する。
- 人気のないエレベーターを利用する際は、同乗者に注意し、逃げ道がブロックされないよう扉の近くに乗る。
- ヒッチハイクなどで見知らぬ人の車に同乗しない、また見知らぬ人を乗せない。
クラブやパブ、宿などで、睡眠薬などを混入した飲み物を飲ませて意識を喪失させた上で性暴行や金品を奪う「ドリンクスパイキング」の被害も発生しています。以下にも注意しましょう。
- よく知らない人に飲み物を預けたり、席を離れたりしない。
- 自分が直接注文した飲み物を飲むようにする。
- 知らない人から受け取った飲み物は飲まない。無理に勧められた場合は断る。
- 飲み物の色や香りに異常がないか確認する。
- 信頼できる友人や仲間と行動し、互いに注意を払い合う。
- グループで行動する際は、交代で席を見張るようにする。
強盗・暴行事件に遭遇した際の対処
強盗事件に遭遇したら
被害にあった場合は、身の安全を最優先に行動してください。海外で日本人が遭遇する犯罪の多くは、金品を狙ったものです。犯罪者の多くが凶器を所持している上、グループで犯行に及ぶことも多く、抵抗することで命に関わる危害を加えられる危険性が高くなります。
身の安全を第一に考え、逆らわずに犯人を刺激しないよう注意する方が良いでしょう。
また、帰宅時に家の中に不審な点(不審者、物音など)を察知した場合、決して中に入ることなく、安全な場所に移動してから状況によっては警察へ通報してください。
緊急に救助などを求める必要がある場合は、緊急電話番号「000」をダイヤルしてください。事案に応じて警察・消防・救急に転送されます。
英語が話せない場合でも首都圏の警察に電話が転送され、転送先で日本語通訳の手配が可能です。なるべく早急に手立てを打つことが重要です。
差し迫った危険がない場合、または緊急性のない犯罪を通報したい場合は、24時間対応の「警察相談ダイヤル」に連絡してください。電話で提供された情報は、すぐに最寄りの警察に提供されます。
- Police Assistance Line:131 444
犯人を特定できなくても、犯罪に関するあらゆる情報を提供することで、次の犯罪を防げる可能性があります。未解決犯罪や不審な行動に関する情報は、匿名でも通報可能です。
- 犯罪報告のための匿名ホットライン:1800 333 000
- 犯罪報告のための匿名オンラインフォーム
暴行事件に遭遇したら
暴行事件に遭遇した際も、まず自分の安全を最優先に考え、危険を感じたらすぐにその場から離れることが重要です。周囲の人に助けを求め、大声を出して注意を引くことで助けを得ることができます。
安全な場所に避難したら、緊急通報番号「000」に電話し、事件の詳細や加害者の特徴を警察に伝えましょう。また、目撃者がいれば、その人たちにも事情を説明し、証言を求めることが大切です。事後は、医療機関での診察やカウンセリングも検討し、自分の心身のケアを優先することを忘れずに。
保険への加入
オーストラリアで事件・事故に遭遇して怪我をしたり、体調を崩して病院にかかった場合、保険に加入していないと大きな経済的負担が生じます。こうした負担を軽減するため、短期のワーキングホリデーであっても海外旅行傷害保険に加入することをお勧めします。
補償金額や対象など加入した旅行保険の内容はよく確認し、複数の保険証券のコピーを保管しておき、身内や同居人などにも渡しておくようにしましょう。