犯罪被害時の行動
スリ・置き引きにあった場合の対処
オーストラリアは治安の良い国ですが、日本と比べるとスリや置き引きの発生件数は多いです。日本人が巻き込まれるトラブルの中で、繁華街や観光地、駅構内でのスリ・置き引きの被害が一番多く、金品を狙った犯罪被害は日本人被害件数の約9割を占めています。
スリのほとんどが、気がついたらバッグやポケットを開けられ、現金・クレジットカード・パスポートなどを盗られていたというもの。持ち物からは目を離さないようにしましょう。
置き引きは、カフェやレストランでの食事中や、ホテルや空港などでの待ち時間に、脇・足元に置いていたバッグやカメラを盗られているという報告が多くあります。カバンはいつも手から離さず、やむを得ず手を離しても体に触れているように置くようにしましょう。
パスポートの再発行には戸籍謄本の原本が必要になり、受領までに日数も要します。在豪邦人の犯罪被害に関する相談も増加しているので、事件・事故やトラブルに巻き込まれることがないよう、自らの安全に十分に留意してください。
他にも、鍵をかけていない玄関ドアからの侵入や窓ガラスを割って侵入する空き巣事件もあります。在宅していても、常に玄関や窓を施錠するように習慣づけることが重要です。また、多額の現金を自宅で保管しないように心がけてください。
スリや置き引きの発生例
オーストラリアでは、特に観光地や人が集まる場所でスリや置き引きの被害が多く報告されています。これらの犯罪は、観光客が多いエリアでのリラックスした雰囲気に乗じて行われることが多く、注意が必要です。以下が具体的な発生例です。
観光客の集まるエリアでのスリ、置き引き
観光地では、スリや置き引きが発生しています。特に人混みの中では、自分の荷物から目を離さないように注意してください。荷物を体の近くに保持し、貴重品を目に見える場所に置かないよう心がけましょう。また、バッグを背中や肩に掛けるのではなく、前方に抱えるようにすると、盗難のリスクを減らすことができます。
レストランやパブでの置き引き
レストランやパブでの食事中も要注意です。隣席に置いたバッグや床に置いていたバッグが盗まれることがあります。特に混雑している時間帯には、自分の荷物が安全に保たれているか確認しましょう。バッグはできるだけ視界に入る場所に置くよう心がけてください。
バックパッカー向けホテルやシェアルームでの盗難
バックパッカー向けホテルや、複数人でシェアルームを利用する際も、盗難が発生することがあります。個人の荷物の管理が難しいため、常に自分の荷物に注意を払いましょう。荷物は施錠可能なロッカーや自分のベッドの近くに置き、貴重品は持ち歩くことをおすすめします。宿泊施設を選ぶ際には、セキュリティがしっかりしているかを確認することも重要です。
公共交通機関や買い物中のスリ
公共交通機関の乗車中やショッピング中には、カバンの中の財布を狙われるケースが報告されています。特に混雑した車両など、目を離した瞬間にスリに遭う可能性があります。所持品から目を離さず、バッグは体の前に抱えるか、しっかりと持つよう心がけましょう。買い物中も同様で、自分の荷物を意識し、周囲にいる他の客に注意を払うことが大切です。
ビーチ、公園、ショッピングセンターなどでの置き引き
ビーチや公園、ショッピングセンターなどでも置き引きが発生しています。特に、海水浴やサーフィンを楽しむ際、荷物を放置しがちですが、周囲に注意を払い、自分の荷物をしっかり管理しましょう。荷物を見守るために、友人と交代で監視することや、信頼できる人に荷物を預けることも有効です。
自動車の盗難
自動車の盗難被害も報告されています。自動車内には貴重品を置かず、鍵の管理には十分注意を払いましょう。特に夜間は、明るい場所に駐車することや、車両の施錠を確実に行うことが大切です。また、車の中に目立つものを置かないことも、盗難を未然に防ぐための有効な手段です。
郵便物の盗難
自宅の郵便物も狙われることがあるため、注意が必要です。重要な書類やカードが含まれている場合は、早めに取り入れることをおすすめします。郵便受けが簡単に開けられないように施錠できるものを使用することも、防犯対策として有効です。
ATMでのひったくり
ATMを利用する際には、周囲に注意を払い、ひったくりに遭わないよう心がけてください。特に、暗い場所や人通りの少ない場所にあるATMでは注意が必要です。必要以上に現金を引き出さないことも、安全対策の一環です。
スリ・置き引きに遭わないために注意すること
安全の心構えはもちろんのこと、連絡を常に取れるようにするなど、万が一に備えた準備をしておきましょう。携帯電話に警察や親類などの緊急連絡先を入れる、最寄りの警察所や病院の場所を確認しておく、自宅や車の防犯設備を整えるといったことも重要です。
防犯の基本的な心構えとして、以下の行動を心がけるようにしましょう。
- 空港でのチェックインやチェックアウト、荷物整理の際に携行品に対する注意や警戒を怠らない。
- バッグなどを床やカウンター上に置いたまま、手続きに没頭しない。
- 繁華街への外出に際しては、多額の現金、貴重品を持ち歩かない。
- やむを得ず多額の現金を持ち歩く場合は数か所に分散して持つ。
- バッグなどの身の回り品は、自分の体の前面で視界に入るように持ち、注意を払う。人ごみや公共交通機関等ではリュックを前に背負い、ショルダーバッグなどは前面に着けて注意を払う。
- 財布をズボンのお尻のポケットや、バッグの中でも目に見えるところに入れない。
- 人前で不用意に財布を出し入れしない。
- 不意に話しかけられても、持ち物から注意をそらさない。
- なるべく車道から離れて歩き、携行品は車道側に持たない。
- 電車やトラム、地下鉄などの混雑した車両はなるべく避ける。
- レストランやカフェなどで注文したものを取りに行く際、同行者がいる場合は必ず誰かが席に残る。
- レストランやカフェなどで席を離れる際、必ず貴重品を持って移動する。
- 食事中でも、椅子の背もたれに貴重品や財布の入った上着や鞄などを掛けたままにしない。
- ビーチでは、所持品を浜辺に置いたままで海水浴をしない。
- 車外から見えるところにカバンなどを放置したまま車を離れない。
- 車に警報装置やハンドルロックなどの追加的な防犯手段の導入も検討する。
- 長距離バスや電車などの車内でも、貴重品の入ったカバンやスーツケースを放置しない。
- 乗り物で夜行便を利用する場合、所持品の管理には十分注意する。
スリ・置き引きにあった際の対処
スリ・置き引きの被害にあった場合、速やかに最寄りの警察に被害を届け出て、届出証明書(Police Report Number、Event Number)を受け取りましょう。届出証明書は、パスポートの発給申請や保険請求などの際に必要です。
オーストラリアの日本大使館・総領事館では、現地警察への届け出に関する助言や、日本の家族・知人からの送金に関する助言もしてもらえます。
クレジットカードを盗まれた場合、不正使用の恐れがあるため、至急クレジット会社に連絡してカードの無効手続をしてください。
以下の連絡先については、事前に確認してメモしておくように心がけましょう。
- パスポート:最寄りの日本国大使館・総領事館
- 航空券:購入先の旅行会社や航空会社
- 各種カード類:カード発行会社
- 海外旅行保険などに加入していいる場合、その保険会社
また、差し迫った危険がない場合、または緊急性のない犯罪を通報したい場合は、24時間対応の「警察相談ダイヤル」に連絡してください。電話で提供された情報は、すぐに最寄りの警察に提供されます。
- Police Assistance Line:131 444
海外旅行保険などへの加入
海外旅行保険に加入していると、貴重品の盗難や遺失時の対価、事故や病気の際の医療費や移送費などが補償されます。クレジットカードには海外旅行保険特約の付いたものもありますが、補償の限度額やサービスの範囲はカードの種類によるため、内容をしっかりと確認し、可能な限り充実した保険に加入することをお勧めします。