犯罪被害時の行動
暴動・テロに巻き込まれた場合の対処
オーストラリアではテロや暴動は滅多に発生することはありません。ただし、日本とは異なり移民国家なので、中には海外のテロ組織の影響を受け、資金・物資調達などの後方支援を行う者や、自ら紛争地域に渡航してテロ組織とともに戦う、いわゆる外国人戦闘員となる者が一部存在しています。こうした海外の情勢や過激思想に共鳴して国内で過激化する、いわゆるホームグロウン・テロリストの問題も稀に発生しています。
2019年にはテロを計画していたイスラム過激派ISILのメンバー3人が検挙されたほか、2021年にもテロを計画した極右思想主義者が検挙されました。
引き続き、テロ容疑者の摘発を推進し、連邦議会議事堂や警察等政府関係施設の警備を強化するとともに、若者の過激化防止対策にも力を入れています。また、大規模なイベントなどにおける混雑場所でのテロ未然防止対策を推進しています。
このような状況を考慮し、不測の事態に巻き込まれないように最新の関連情報の入手に努め、テロなどの標的となりやすい場所を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れるなど、安全確保に十分注意を払う必要があります。
暴動・テロに巻き込まれないための注意
市街地では市民団体などによる大規模なデモやストライキが行われることがあります。多くの参加者が見込まれる場合、警察当局では警備部隊が動員されることもあります。デモ参加者と警察当局との衝突、不法行為や雑踏事故が生じる恐れもあるので、不測の事態を避けるために、デモやストライキが行われる前後の時間帯を含め、当日は注意を払うとともに、参加者であっても自らの安全確保に努めてください。
普段からさまざまな情報に目を通し、不審者・不審物に注意を払うなど身を守るための予防策を講じることが重要です。
暴動・テロは起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道などから最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
事件・事故その他の緊急事態が発生した時は、日本大使館から在豪邦人の方に向けてメール及びSMSを通じて報せが届きます。オーストラリアに3カ月以上滞在する方は、在留届も忘れずに届け出ましょう。
短期滞在の方も、「たびレジ」への登録により、渡航先の最新安全情報や緊急時の総領事館からの連絡を受け取ることができます。
被害を受けた場合、もしくは被害を受けた方が周囲にいることが判明した場合は、日本大使館に連絡してください。
暴動・テロに巻き込まれた際の対処
万が一の緊急事態では、まず自身の安全確保を優先してください。近くで銃声や爆発音が聞こえるような状況では、物陰に隠れるか、床に伏せるなどしてできる限り安全なところに避難し、その場から離れます。命に関わるので、発生現場が近所だったとしても決して見物に行かないでください。
テレビやインターネットを通じて、また連邦政府機関・日本大使館のインターネットサイ トを閲覧したり、問い合わせたりするなどして緊急事態の把握に努めてください。警察が到着したら、素早い動きや大声を避け、両手を見えるところに置いて、その指示に従ってください。
万一、緊急避難場所などの情報が不明な場合は、周囲の状況に照らして安全であると判断できれば、直接日本大使館へ向かってください。
オーストラリア外務省から提供するスポット情報や海外安全情報なども、有効な情報となります。近隣で不審な動きがあれば、犯罪阻止ダイヤル「Crime Stoppers」や、テロに関してはオーストラリア国家安全保障ホットライン「National Security」に通報してください。
命の危険を感じる緊急事態が発生した場合は、迷わず「000」に電話します。