その他の緊急時の行動

お金が底を尽きてしまった場合

オーストラリアは日本に比べて物価や家賃が高いため、収入がないまま貯蓄を切り崩して生活費や学費、家賃を支払っていると、あっという間に資金が底を尽きてしまいます。

日本ワーキング・ホリデー協会によれば、2023年頃からオーストラリア渡航後に「仕事が見つからない」という相談が増加しているとのことです。最近では、現地のボランティア団体が貧困者向けに行っている炊き出しに、生活に困窮したワーキングホリデー渡航者や留学生の日本人が訪れることもあるといいます。

また、現金やカードの盗難・紛失や高額詐欺など、予期しない金銭トラブルに遭い、一時的に手持ち資金が失われるケースもあります。クレジットカードの利用制限によって急に現金を引き出せなくなったり、事故や災害に遭って予期せぬ医療費が発生する場合も考えられます。長期入院や手術を余儀なくされると、予定以上に多額の費用が必要になることもあります。

このような突然の金銭トラブルは避けられない場合もありますが、海外での生活は日本での生活以上に余裕を持った計画性が求められます。十分な貯蓄なしで渡航し、さらに英語力が不十分で仕事を見つけられない場合、物価の高いオーストラリアでの生活は非常に厳しいものとなる可能性があります。

渡航前に、オーストラリア滞在中の生計を維持するための十分な資金と、滞在終了後に帰国または次の移動に必要な資金を準備しておくことが大切です。

オーストラリアで金欠に陥らないための資金計画

オーストラリアでは通常、家賃の支払いが1週間毎のところが一般的です。そこで、家賃をはじめ、学費や食費、交通費などのオーストラリア生活費の予算を毎週立てることは、お金を効果的に管理するために重要なタスクです。金欠に陥らないよう、収入と支出に基づいて予算を立てましょう。

家賃の相場はオーストラリア最大の都市であるシドニーが最も高く、オーストラリアにおける都市別のシェアハウスの費用相場(1週間)は、以下のようになっています。

  • シドニー:220〜400豪ドル(1週間)
  • メルボルン:200〜350豪ドル(1週間)
  • ブリスベン:200〜350豪ドル(1週間)
  • パース:200〜350豪ドル(1週間)

オーストラリアのどのエリアに住み、どのような生活をするかによって差はありますが、東京などと比べて出費が嵩むのは、家賃と外食費と言えるでしょう。充実した留学生活を送るためには、普段は自炊で節約し、遊ぶときは遊ぶとメリハリをつけて生活しましょう。

シドニーの1カ月間の生活費相場の内訳は、以下のようになります。

  • 交通費:120〜180豪ドル
  • 通信費:40〜60豪ドル
  • 食費(自炊中心):200〜400豪ドル
  • 家賃:880〜1,600豪ドル(1週間)

上記に加えて、自由に使える娯楽費を考えておくと安心です。

シドニーに住むのであれば、1カ月800〜1,600豪ドルの家賃と、娯楽費を含めて500〜1,000豪ドルの生活費は必要であると考えておきましょう。

上記はあくまでも目安の金額であり、個人によって大幅に異なる可能性があります。また、オーストラリアでの生活費は、都市やライフスタイルの選択によっても大きく異なります。シドニーやメルボルンなどの主要都市は物価が高く、ブリスベン、アデレード、パースなどの都市は比較的物価が安いです。学校や都市を選ぶ際には、生活費の予算を考慮しましょう。

さらに、緊急時や急な旅行などの予期せぬ出費として、緊急資金を確保しておくと安心して不測の事態に対処することができます。

また、最新の為替レートをチェックしておき、送金には有利なタイミングを利用しましょう。

Study AustraliaとInsider Guidesによる生活費計算機は、自分のライフスタイルに合わせた予算を立てるのに役立ちます。

Cost of Living Calculator

クレジットカードやデビットカードの盗難・紛失の対策

クレジットカードやデビットカードをなくしたら、まずはクレジットカード会社またはデビットカードを発行した銀行に連絡して、対象のカードの利用機能を停止してもらいます。盗難の場合は、現地警察に被害を届け出ることも忘れずに。ほとんどのカード会社や銀行が、24時間365日対応の紛失・盗難専用コールセンターを設けています。デビットカードの場合は、デビット一体型キャッシュカードかデビット単体型カードかで、手続き方法が異なるので注意が必要です。カード会社や銀行が提供する専用アプリ、またはインターネットバンキングから、カードの利用機能を停止できる場合も多いです。その際に再発行を依頼することで、新しいクレジットカードやデビットカードを発行してもらえます。

また、日本のカード会社や銀行によっては「緊急カードサービス」という、緊急時だけ現地で利用可能な再発行カードを提供しているところもあります。緊急サービスの内容はカード会社によって異なるので、あらかじめ内容をよく確認しておきましょう。オーストラリア現地で発行したデビットカードは発行元の銀行に確認してください。

キャッシュレス社会のオーストラリア生活でパスポートとビザの次に大事とも言えるお金のカード。自分のカードについて、以下のポイントを確認しておくと安心です。

  • カードが紛失・盗難にあった場合の対応手順やカード会社または銀行の連絡先を事前に調べておく。
  • 海外での緊急サポートがある会社を利用する。
  • 海外旅行損害保険の場合、補償内容を確認しておく。
  • クレジットカード、デビットカードの予備を用意しておく。

オーストラリアでお金が尽きてしまった場合の対処

日本大使館や領事館などの在外公館では、所持金を紛失して自分自身ではどうしても連絡ができず、当面の生活がままならない場合、かつ緊急やむを得ないと領事が判断した場合のみ、親族や知人に航空切符の手配や金銭的援助の依頼を代わって連絡してくれます。ただし、個人的費用を立て替えること、またはその支払いを保証することはできません。

奨学金などの返済が必要以上に負担になったり、家計管理に助けが必要な場合は、借金をする前に、学校のファイナンシャルアドバイザーやカウンセラーにアドバイスを求めてみましょう。予算・貯蓄・資金計画について貴重な指導を受けることができるかもしれません。

何から手をつけていいかわからない場合は、無料のファイナンシャルカウンセラーのサービスを利用してみてください。

また、オーストラリアの慈善団体やコミュニティでは、貧困者のために食事や衣類の配布、交通や薬局のクーポン券、新学期費用の援助などの緊急支援サービスも提供しています。困窮した際には、最寄りの団体を訪ねることで、ボランティアの人々が手を差し伸べてくれます。一人で抱え込むことはやめましょう。

お住まいの州の緊急救援サービス一覧は、以下から検索することができます。

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