大使館・領事館の安全対策情報
在オーストラリア日本国大使館
2025年(1月~3月期)における海外安全対策情報
1. ACT(首都特別地域)の治安情勢
- メディアリリース等によると、特に交通事故・違反と暴行事件が多く見られ、前年同時期と比較すると、罪種別件数は減少傾向にあっても、全体的な犯罪件数は増加傾向にあります。
- 前四半期との比較
全体の件数自体は約400件増加し、特に交通事故・違反の件数が比較的大きく変動しています。多くの交通事故は、盗難車による危険運転に起因しており、1月から2月までの1ヶ月の間に140件以上の車両盗難が発生していると、メディアリリースで発表されました。
2. 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
- 犯罪発生地域の傾向
ア 昨年の同時期に比べ、犯罪総件数は約800件増加し、ほとんどの地域で発生件数は増加しています。
イ 「地域別犯罪発生率の傾向」について - 犯罪発生件数と犯罪の傾向
ア ACTでの3ヶ月間の犯罪発生件数(昨年同時期の発生件数)
・暴行 662件(789件)-16%
・住居侵入 485件(489件) -1%
・殺人(未遂含む) 1件(4件) -75%
・車両盗難 267件(312件) -14%
・対人犯罪 67件(74件) -9%
・その他の対人犯罪 2021件(1984件) 2%
・器物損壊 774件(818件) -5%
・交通事故 69件(80件) -14%
・交通死亡事故 2件(2件) 0%
・強盗 36件(46件) -22%
・性的暴行 128件(162件) -21%
・窃盗 1551件(1754件) -12%
・交通違反 2703件(1456件) 86%
ACT全体の犯罪発生件数は昨年同時期に比べ約10%増加しています。
イ 犯罪別の傾向
今期は銃器犯罪に関する事案が多数報道されており違法銃器の所持等だけでなく、実際に怪我人が発生する事件も発生しています。また、暴力事件のほとんどがパートナーに対する家庭内暴力であり、連邦警察は引き続き24時間対応のサービスに相談するよう、呼びかけています。
今期は、交通違反や事故に関連する報道が目立ちました。違反者のほとんどが飲酒や薬物摂取状態であったり、無免許、免許停止、保釈中等、そもそも運転を禁じられている状態での運転も散見されたため、不規則に危険な運転をしている車を発見した場合は、速やかにその場を立ち去る等、自己防衛も重要です。 - 今期の特性
今期のACT内における治安情勢は、昨年の同時期と比較すると犯罪発生率について若干増加していることが分かります。特に交通違反者数はすべての地域で増加してお り、死亡者も出ています。警察ではスクリーニングを一層強化し、事故防止に注力しています。一方で、暴力犯罪や性犯罪では、若干の件数減少が見られました。全体犯罪発 生件数が減少した地域はMolongro Districtのみでしたが、9%と減少幅は小さく、Westonでは39%の増加が見られました。
3. テロ・爆弾事件発生状況
- テロ事件の発生状況
2024年8月5日以降、豪州のテロ脅威レベルは「蓋然性がある(Probable)」へ段階をあげています。今回の引き上げは特定の事案や過激主義に基づくものでは無く、現在進行中のテロ計画や差し迫ったテロ攻撃が予想されているわけではない、とされて いますが、テロの脅威がなくなったわけではなく、国内外を問わずテロリストの活動は懸念されているため、今後も継続的にテロに関連した最新の情報の入手に努めてください。 - 爆弾予告及び事件の発生状況
現在のところ爆弾に関連した事件の発生については認知していません。
4. 誘拐・脅迫事件発生情報
邦人誘拐等の被害については認知していません。
5. 日本企業等の安全に関わる諸問題
一般的に対日感情は良好とされ、日本企業等の安全に関わる諸問題については認知していません。
6. 抗議活動
日本や日本人を標的にする抗議活動は発生していません。豪州政府の政策に対する抗議活動が月に数件発生していますが、キャンベラでの抗議活動は平和的に行われており、逮捕者などは確認されていません。しかしながら、こうした活動の増加については予測ができないため、抗議活動等を見かけた場合は、決して近寄ることなく、巻き込まれないよう十分注意してください。
参考: