日本人クライエントによくあると思われる、典型的な問題がいくつかあります。

その中のひとつ。「人の意向に合わせてばかりで自分がないような感じ」。・・・人の気持ちをくむのは上手で、それに合わせて適応的に動くのは得意なのです。人が機嫌が良ければ、自分もハッピー、または自分に価値があるように感じられる。いわゆる、日本でとても価値をおかれる「協調性」という性格傾向や行動パターン。

いつも人の意向に沿うことばかりをしてきたので、その代わり、自分の気持ちに鑑みることが苦手なのです。ほとんどやってこなかった、といった方もいます。大体、自分の気持ちが何なのかも分からない。自分の気持ちなんて、聞いていいんですか？？などと大真面目に言われる方まで。

日本では「健全に機能する自己を作る」「自分の健全な思考力と判断力で適正に動ける人間に育てる」といった観点が、教育やしつけの中で弱過ぎるのではないでしょうか？今後どそこをどんどん改善していくべきと思います。自分で考えてフェアに行動する能力、と言いましょうか。規則があるから、とか、人に悪く思われるから、といった理由だけではなく。

適応性を全面的に発揮するやり方だと、日本社会の中で大いに評価されて人に認めてもらいやすい一方で、「人にいつも意見をぐいぐい押し付けられてしまう」「ノーと言うことができない」、つまり「人がいつも自分のバウンダリー侵入をしてくる」と言ったような副作用に悩むことになりがちです。

ある日、人に思ったように動かされ巻き込まれて、たいへんな損をかぶりそうになる羽目になり、やっとその問題点に本当に気づき、どうにかしなければと強いモチベーションを持つにいたり、カウンセリングに来られる方もいらっしゃいます。

そのような問題は、日本で育った私自身にもかつて身に覚えがあり、自分をしっかり持つべく励んだプロセスがあったようにも思い、非常に興味があり、また経験のある分野です。

そのような方のカウンセリングに置いては、その方の気持ちを何よりしっかり聞きたいです。その方の考えること、判断することを尊重し、自分で考えることを励ましたいです。同時に私自身も自分の自己をはっきり認識し、時には自分の意見を押し付けにはならないようにではありますが、情報として伝えて行きたいです。私の自己のあり方をモデルにして、取り込んでくださることも期待しながら。

その方の「自分」が徐々に徐々に育って来たのを感じるとき、本当にうれしいです。あ～やっと適応ロボット（失礼）ではなくて、違う価値観や思考回路を持つ「人間」と「人間」が話している、という気がしたりします。心理的な第二の誕生であるような気もします。

「自分を持って良いし、自分の気持ちを聞いて良いし、自分の判断で動いて良い」。もちろん人の気持ちや状況との現実判断でバランスの問題ではあるけれども。自分の要因も大事なデータとして考慮に入れて良い。あ～そんなことが分からなくなっていた、私は自分も大事にして良いんですね、とおっしゃる方がいらしたりします。そんな簡単で大事なことが分からなくなってしまっているような気がするとき、カウンセリングに来ていただけたら、と思います。

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次回の他都市への出張カウンセリングは、２月５日から７日、ゴールドコーストを予定しています。ご関心のある方は、お早めにご連絡ください。

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