相変わらず突っ込みどころ満載のシドニーの電車事情ですが、シドニー暮らしも長くなってくると大抵のことには慣れっこになって怒っても無駄なことにはエネルギーを使わないようになってくるようです。それでも数年前までに比べれば大分マシになってきましたよね。オパールカードなんてその最たる例ではないでしょうか。だいたい券売機の数が極端に少なく、おまけに故障が多くて使い物にならず、券売窓口に並んで切符を買おうとしていると前の人がクレジットカードをおもむろに取り出しチンタラしているうちに電車に乗り遅れてしまったなんて経験は誰にでも一回や二回や三回はあるのではないでしょうか。そこに彗星のごとく現れたのがオパールカードです。いやあ、これ便利ですよね。いちいちチケットを買わなくていいし、オンラインでオートチャージできるからとにかく手間がかかりません。おまけに週に8回以上使えばそれ以降はタダになるし、日曜日は$2.50で乗り放題なんて、こっちが心配になるくらいのサービスぶり。かなり大風呂敷を広げすぎたようで最近では料金の見直しが検討されているようですが。
なにはともあれ大変便利なのですが、じつは“落とし穴”もあるのです。ボクの場合、シティから30km以上も離れているところに住んでいるのですが、最寄り駅には自動改札がなくポール式のカードリーダーが券売窓口の横に設置されているだけなのです。そこでちょくちょくやってしまう失敗が、タップオンをしないで電車に乗ってしまうということ。自動改札ならタップオンしないと駅のホームに入れないのでタップし忘れることなどないのですが、ポール式の場合は、考えごとをしていたり、電話で会話などしていたりすると、ついついタップすることを忘れて乗車してしまうのです。ではタップし忘れたまま行き先の駅でタップオフするとどうなるかご存知ですか? その路線の最大区間の料金をチャージされてしまうのです。ボクの場合、ピーク時の片道料金が$4.82なのですが、タップし忘れると片道$8.30チャージされてしまうのです。しかもこれをやっても気がつかないことがあるということ。改札を出る際の課金額を見逃すと自分がタップしなかったことさえ気づかずあとあとネットで履歴を調べて、えっ、なんでこんなにチャージされてんのってな具合で結構“被害”が大きかったりするのです。これを何度やってしまったことか…。
そして先日も同じミスを繰り返してしまいました。電車に乗った瞬間にタップしていないことに気づいたので、どうすることもできません。次の駅で降りてもう一度引き返しタップオンし直すことも考えましたが、約束の時間がありそれもできない状況でした。ああ、どうしよう…。考えて考えて考え抜いた結果ある考えが閃きました。じつは次の駅にも自動改札がなく、ポール式のカードリーダーが駅のホームに設置されていることを思い出したのです。思わず膝を打ったことは言うまでもありません。次の駅に電車が到着し、ドアが開いた瞬間にホームに駆け出しタップオン! そしてすぐさま電車に引き返しました。ハラハラドキドキの瞬間でしたが、それを見ていた駅員に笑われてしまいました。結構同じことしている人がいて、「まったく、隣の駅から乗る奴は、いつもどうしようもねぇなぁ」って思っているのかも知れません。ちなみに隣の駅からの料金も同じでした。果たしてポール式の改札を利用している人がどれだけいるかは疑問ですが、タップオンのし忘れにはとにかく注意したいものです。