交通事故で怪我を負った場合、誰が賠償金を支払うの?
CTPは日本と同様で、自動車やバイクを購入する際に、法律によって加入が義務づけられている保険です。CTPは、事故で相手方を死傷させてしまった場合のみ適用され、保険料は毎年支払う自動車登録料と一緒に納めます。
オーストラリアでは賠償金は加害者個人ではなく、事故を起こした自動車をカバーしているCTP保険会社が支払うことになります。このように、賠償請求は、保険会社に対する手続きとなるため、過失を犯した個人に支払い能力があるかどうかは全く問題になりません。
賠償金は、どうやって査定されるの?
1. 実際にかかった費用
(診察・治療・入院・リハビリ・薬代、通院のための交通費など)
領収書は必ず保管しておきましょう。
この実費分は、手続きの途中でも費用が発生した時点で、保険会社から返金を受けることが可能です。
なお、事故直後に要した治療費が海外旅行保険で全額カバーされたり、日本の健康保険制度によって一部負担された場合でも、ベネフィットがあります(詳しくは専門家にご相談ください)。
2. 痛みと苦痛に対する賠償・生活の楽しみを失ってしまったことに対する賠償
事故に遭った方が被る健康への影響はひとりひとり異なります。その大きさを金銭的価値に置き換えるには、専門の医師による障害度判定が必要となり、怪我の度合いにより賠償額が異なります。
3. 過去の経済的損失
(事故によって発生した所得損失*事故発生日から賠償請求手続き完了時まで)
例えば、事故の影響で休職したり、以前より勤務時間が短くなったり、、あるいは部署異動が必須となったりして給料が減少した場合も含まれます。
4. 将来の経済的損失
(事故によって将来発生すると予想される所得損失*年金受給資格損失可能性など)
この枠では、予想退職年齢までの所得損失額を算出します。
5. 家庭での支援
家族・友人が被害者の補助・支援を行う時間に対する費用。(法律で規制されている時間を越えた場合のみ含む)
例えば、事故で負傷したため、事故以前には不要であった日常生活の補助、家事手伝い、車での送迎など、他人の手助けが必要となった場合です。
6. 将来の医療費その他関連する経費
事故で負った身体的・精神的傷害がいかに将来の健康に影響を及ぼすかなどが考察されます。
このように、賠償金の査定は非常に複雑で専門的知識を必要としますので、オーストラリアでCTP CLAIMを進めることになった場合、弁護士などの専門家に相談される方がほとんどです。
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