食中毒
なんだかいきなり嫌なタイトルから始めてしまうが、こちらに暫くお住みの皆様なら、一度や二度は経験したことがあるのではないかと思われるのが、この食中毒である。 なんだかこの食中毒という漢字3文字だけを見ていると、”常に食用旺盛でどうしようもない症状”などと広辞苑あたりには出てきてしまいそうな雰囲気がするが、残念ながら私も1度・2度に限らずそれを経験した類である。 私がこちらに来て間もない時に、「食中毒にあった!」などと耳にした時は、「まぁ、今時食中毒なんて、拾い食いでもしたのかね、この人は・・ 私の実家の猫でさえ・・・」などと、冷ややかな目で見ていたものである。
そんなある日、とても”かっぷくのいい体”をした友人ジェニーに会社帰りに会うことになった。 彼女とは随分長い付き合いになるが、どうやら”かっぷくのいい体”にコンプレックスがあるようで「私がやせたら・・」から大体の文章が始まり、「・・になるから、今にみてなさい!」と、まるで私を脅すかのようにギッと睨み付け、鼻息荒く会話を終了させたかと思うと、いつものVBをグイッと飲みほすのだ.
一度はライトビールに転向しかけた彼女だが、「同じような値段なのに、アルコール度数がこんなに低いなんて詐欺だわ!もったいないもの!!」と、どうやらアルコール度数の違いは正確に把握しているのに関わらず、ビール屋さんの意図は把握していないようで、力強くVBをグイッと飲みほし、ソースがたっぷりとかかったステーキサンドイッチをほおばるのだ。
そんな彼女がこんな事を言い出したのである。「ちょっとぉー、聞いてよー、あたしこの間食中毒にあっちゃって、会社を一日休んだのよー」 ”こんな身近にも拾い食いをした人がいたなんて・・・”と一瞬非常に情けない念にかられたが、「大手スーパーWで購入した腐ったチキンのせいよ!」と続けた。
拾い食いでなかった事に胸を一瞬なでた私だったが、「仕事の帰りにWでチキンを買ったんだけど、それを食べたときになんかちょっと変だなーとは思ったの、でもね・・」と、結局変なチキンを完食した事を告白し、2杯目のビールをグイッと飲み干した。 変なチキンまでも無駄なく完食するなんて、もしユニセフの方々がこの話を聞いたとしたら、さぞ涙することであろう。
「それから暫くしてねー、一晩中熱は出るし、上からも下からも出るわ出るわで、どこが口なのかお尻なのか、わかんなかったほどよぉー!!だははははーっ!」
と大笑いした。 その頃には私が食べていたクリームパスタの手は完全に止まり、それに気づいた彼女は、「あら、食べないの?ちょーーだーい!」と、私の返事を待たずにパスタをすすっていた。 次回へ続く・・・・・
♦シドニークリエイティブフォトグラフィー♦
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