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大野譲治はオーノージョージ

♦大野譲治はオーノージョージ

突然オヤジギャクな題名でお恥ずかしい限りだが、私には大野譲治君という学生時代からの友人がいる。

譲治君は学生時代から割と控えめな割には、大胆にも海外での生活を夢見ていて”将来は何になりたいですか?”という卒業アルバムの中の質問に”外国に住んで、外人になりたい”と書いた為、卒業式当日のセンチメンタルな気分をあっさりと爆笑の渦にしたのが、この譲治君である。

そんな彼の夢が実現したのが、卒業してから15年後に新婚旅行で4泊6日のサイパン旅行に行った時だそうだ。 
当初の”外国に住んで、外人になりたい”というのとは、ちょっと違う気がするが、とりあえずグアムというアメリカ大国の一つの島に訪れ、一応外人さんとして4日間過ごした事は、今でも忘れられないドリームズカムトゥルーストーリーだという。

先日、日本に里帰りをした時に、そんな彼のご自宅で食事によばれる事となり、グアムの写真や自分たちで撮影したビデオまでも見せてもらいながら「じゃ、今度はどこの国に行きたいの?」となんとなく聞いてみたら、こんな返事が返ってきた。

「それがねぇ、もう海外はこりごりだよ・・・ 言葉の壁はあつかったよ・・」とえらくがっかり話すので、「あらまぁ、英語が出来ないせいでひどい目にでもあったの?じゃ今度はアジアの国とかはどう?アジアだったら、英語が出来ないのはお互い様って感じだからいいかもねぇ・・」となだめるように言ってみると、彼はこう続けた「問題は向こうに着いてからじゃなくてね、グアムの空港で大変だったの」

なんだかよく訳がわからず、ふんふんと譲治君の話を聞いてみると、どうやらグアムの空港でパスポートを提示した時に事件が始まったらしいのだ。

彼のパスポートにはONO JYOJI と記載されているそうなのだが、何を思ってか機内で書き込んだ入国カードには、OHNO GEORGEと外人さん気取りになって書いてしまったらしく、入国審査でいわゆる”お説教室”に呼び出されることになったらしい。 奥さんの恵子さんは既に入国してしまったらしく、突然旦那の行方不明となり空港で大パニックとなってしまったらしいのだ。

そんな事と知らない譲治君は、しかめっつらの入国管理局のおじさんに「パスポートの名前と入国カードの名前が全然違うがどっちの名前が本当の名前なんだ?」と問われMy name ONO Jyo-ji-!と彼の苗字が”オノ”と書かれていながらも”オオノ”と読む事までもついでに説明してしまったらものだから、ますます不信人物として扱われ、新婚旅行の初日の半日をお説教室で過ごすことになったというのだ。

あいにくその日は日本語の通訳人も居合わせず、たまたま手荷物につけていたツアーのタグには”ONO”ではなく”OHNO”の書かれていたものだから、ますますややこしくなってしまったらしいのだ。

入国管理のおじさんも、彼のつたない英語ではオオノなんだか、オノなんだか、ジョージなんだかGEORGEなんだか、ますます困惑したらしく、やっとの事で新婚の奥さんが”お説教室”に飛び込んできたらしく、約6時間後にやっと釈放(?)されることとなったというのだ。

4日間の約丸一日を”お説教室”で過ごすことになり、オオノでもオノでもないOH NOOOOOOO!という気持ちだけを残して、3日後にグアムをあとにしたというのだ。

それ以来彼は海外恐怖症というよりは、空港恐怖症になってしまった彼は、国内旅行でもバスや電車を利用するようになったという。

なんだかオヤジギャグが多発した今回エッセイだが、このネタは実際のフィクションであるのでどうぞ許して頂きたい。 (完)

シドニークリエイティブフォトグラフィー
http://www.sydneyphoto.com.au/jp/

 

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