秋っていえば、食欲と思っている方。
もちろん、それは間違いではございません。
でも、読書もいいではないですか。
というのも、このブログを読んでいると、どうも私自身頭の悪い、いい年した女という感じが伺えたので、今回は知的なわたくしを皆様にアピールしてみようと思います。
最近読んだ本、とっても面白かったです。
タイトルは、国境の南 太陽の西 という、村上春樹さん(この人大好き)の小説です。
これは大人の恋愛小説でございました。読み始めてからすぐに読み終えました。はっきりいってとっても面白かった。
中年の既婚男性が、幼馴染の女性と再会し、恋に落ちる、みたいなもので、読む人によってはただの不倫小説かもしれないし、実際彼のファンが書き込みしてるウェブサイトを見ても、好き嫌いがはっきり別れる作品だと思います。
村上春樹さんの使う日本語も、とても素敵だと思います。きれいな言葉や言い回しを読んでいると、日本語が恋しくなるし、こんなにきれいに言葉を話す人もなかなかいないので、すごくいい勉強になります。
そして、その中で、主人公2人の話に、ヒステリアシベリアナという病気がでてきます。
これはとても興味深い部分でした。この話が出てくるのは物語のかなり後半。
どうして作者はこの話をこの部分にもってきたのか、、、と考えると、結構難しくて頭が ぱーん ってしちゃいます。
この病気は、ロシアのシベリアに住む農夫がかかる、非常にまれな病気だそうです。(ちゃんとインターネットで調べちゃった私) 毎日畑を耕し、太陽が真上になったら昼食をとり、日が沈んだら帰る。冬は家でできる仕事をする。
まあ、静かな暮らしですよね。
ところが、この病気にかかると、突然畑仕事をやめ、太陽の沈む方向に(要するに西)歩き始める。そして、のどが渇こうが、疲れていようが一向に歩くのをやめず、最後には死んでしまう。死んでしまうまで歩き続けてしまう。
そんな病気です。
みなさん、これをどう考えますか?原因も全く不明のこの病気、興味ありませんか?
これって人間として一番幸せな死に方かも、と考えるのは私だけですかね。 要するにこの病気にかかった人は、死んでしまう最後の一瞬まで何かを追い求めてるわけですよね。 水も飲まず、休みもせず、太陽の沈む方向(または太陽)にむかって歩いてる間、きっとかれらはある一種のトランス状態なのでしょう。
そして、その状態のまま死ぬまで歩き続ける。
死んだときに、彼らが何を得るのか、また彼らは本当に何かを得たのか、、、、
それは誰にもわかりませんな!
ただ、農業というのは、知恵を使える人間だからこそ出来る行動であって、大自然の中でひたすらそれを続けるということは、ある意味余計な文明をなくした生活であり、ある意味人間が、人間という動物として自然に生きている、といっても過言ではないのでは。
そして、それを続けた人間のなかの数人が、この病気にかかる。
むしろこれは病気なのでしょうか?
うーん、、これはある意味ファンタジーです。
今日は珍しくうんちく語っちゃいました。
でも、実は私、結構うんちく語っちゃうんですよー!!オヤジねえさんだから。
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