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26/03/2008
◆生活産業部会「タスマニア農業施設視察会」を開催
生活産業部会(部会長=小島健一・兼松豪州会社)は2008年2月25日から26日まで、タスマニアの農業施設視察会を開催、9人が参加した。 今回の視察会は、タスマニアで進められている農業・漁業事業の状況を把握するために行ったもので、タスマニア・フィードロット社、Tassal社の各施設を視察した。 ▼品質管理工場のために屋根付きペンを採用 タスマニア・フィードロット社は、日本の大手スーパーチェーンのイオンが出資する会社で、設立は1974年に遡る。当時の牛肉の輸入解禁に併せて同社が先行投資したもので、本格的な肥育は90年代に入ってから始まっている。 約2000haの土地にペン(牛肉の肥育スペース)、農園、牛の繁殖スペースなどの施設が併設されており、現在、9000頭の牛が肥育されている。イオンのレギュレーションに基づき肥育が行われており、18から20カ月のタスマニア産のブラックアンガス種を、200日肥育して出荷しており、9割強の牛がイオン向けの輸出、約1割弱が国内向けに販売されている。 同社のGeneral Managerの宮村氏は、「寒くて良質な牛を購入しやすく、かつ、豪州では水に恵まれていて餌の入手にも最適なタスマニアは、豪州の中で一番牧場運営に適していると考える」と説明。独自のマネジメントタグを牛に取り付けることにより、サプライヤーごとに品質管理を徹底させ、「各サプライヤーから品質の良さを評価されている」と話す。 中でも参加者を驚かせたのが、品質管理の手法として豪州で唯一という屋根付きのペンを設置していることだ。「狭いペンで多くの牛を肥育するということは、牛にとっても相当のストレスがある。また、タスマニア北部は雨も多いため、衛生管理も重要な課題と考えていた。屋根付きのペンはまだ実験段階ではあるが、出荷前の牛を雨や不衛生な環境から屋根付きのペンに移すことで、品質のさらなる向上につなげていければと考えている」と宮村氏。また、保有する広大な土地を活用して、肥育に使うルーセンの栽培も行っている「タスマニアで取れる牛の餌(ストロー、ルーセン)は他州のものと比べて品質がいい。ここに着目して、現在、3~4割のルーセンを自分たちの土地で作れるようにしている」と宮村氏が説明するように、品質向上に向けた同社の新たな試みが着々と進められている。 ▼輸出拡大を目指すタスマニアサーモン 2日目となった26日は、タスマニアサーモンの大手・Tassal社のサーモン養殖施設の視察を行った。 まず、同社のDoverにある養殖場を見学。湾に設置された約20基のペンにはそれぞれ約2500匹のアトランティックサーモンが養殖されている。養殖場のすぐ横には、解体工場が併設されており、同工場では内臓の取り外し、サイズ分けなどが行われ、そこから国内市場、輸出、さらには加工品工場に配送されている。 タスマニアには、天然のサーモンは生存しておらず、ギンザケやベニザケを好む日本ではなじみのないアトランティックサーモンの養殖がいわゆるタスマニアサーモンと呼ばれるものとなっている。現在、山間部で人工孵化が行われており、そこで製造された稚魚が、それぞれの養殖場において育てられ、生後2年ぐらいのものが市場に出回っている。 同施設では、作業の全工程、さらには、赤み、脂などサーモンの品質管理方法などについてヒアリングが行われた。 その後、同社のスモークサーモン工場を見学、サーモンの解体からスモークの工程、さらには、パック詰めまでの全行程を見学した。工場の機械は、ヨーロッパからの輸入がほとんどで、骨抜き、スライス、パッキング、さらにはパッキングしてからチルドにするまでのシステムについてヒアリングした。 現在、同社の製品の75%が国内、輸出が25%(加工品含む)となっており、輸出をどうやって伸ばすかが、当面の課題となっている。 |
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