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ケダモノ屋の思い出

 

 
 
 

 ♦ケダモノ屋の思い出♦

 

随分前のことになるが、京都出身の私は、学生の頃 “三条”いう京都市内の町に

よく出かけていた。


三条はシドニーで言えばシティにあたるのだが、京都でも田舎育ちの私としては、

電車に1時間弱揺られ、友人と買い物に行ったり、時には学生ながらにキュッと

ひっかけたりしたものだ。 

 

そんな私には、もう1つ“三条”に行く理由があった。

 

3条のメイン通りの1つに、“新京極(しんきょうごく)”という歩行者天国があって、

地元の人はもちろんの事、京都に来る観光客の人達が必ず訪れるという、

ショッピング通りになっていた。

 

新京極には、映画館やレストランを始め、デパートや京都らしい趣を残した

昔からの土産屋が立ち並び、“創業100年”とデッカイ看板を掲げた骨董品屋や、

うなぎの蒲焼屋、そして小さな神社まであった。

 

そんな新京極の一角に、強烈な異臭を漂わせていたペット屋さんがあった。

 

そこは私が幼い頃からあったので、随分長い間営業していたのだが、

そこのペット屋さんは、チワワやポメラニアンなどの子犬が綺麗な籠に入って

売られている普通のペット屋さんとは違っていて、どちらかと言えば

“ケダモノ屋”と言ったほうが適切であった。

 

お店の前に来ると、顔面を全て覆いたくなるような異臭がして、通常お店の店先には、

“今日のスペシャル動物”と言わんばかりに、通常動物園でしか見られないような

ケダモノ達が普通に販売されていた。

 

私が今まで見たことがあるケダモノ達を列挙すると、ハリーポッターに出てくるような真っ白なフクロウをはじめ、スカンク、とげとげのヤマアラシ、アリクイ、エリマキトカゲ、キングペンギン、ダチョウ、ヒヒ、いぼいのしし、ペリカン、フラミンゴ、ビーバーなどがいて、他にも見たこともないカラフルな昆虫類や、日本に一匹しかいないであろう不思議な形をしたトカゲや紫色のカエルもいた。

 

お店はそれほど大きくなかったので、ケダモノのストックの回転は割りと早かったが、

一度檻の中に入った肌色のクーガー(ピューマ)が、“ガオォーーッ!”と唸り声をあげ、普通に販売されていたのには、けだもの屋に何十年も通った私と姉でもかなり驚いた。 

 

そのケダモノ屋の奥にあるドアには、“一般客お断り“という張り紙が張られていて、その奥に通じる中庭に、もっとすごいケダモノ達が隠されている事を物語っていた。

 

”一体あの扉の裏側に何が隠されているんだろう・・・“

 

“これ以上のケダモノって、一体・・・“ 

 

ケダモノ屋を知っているクラスの子供達は、“ライオンの子供を見た!“とか、

象の雄叫びが聞こえた!”などと言った噂広がり、しまいにはカッパが居た!“

などと言う者まで出てきて、私の好奇心をますますそそったものだ。

 

そこのケダモノ屋は、急に2ヶ月位閉まったかと思うと、また開いていたり、

また一ヶ月位閉店したりと、ファンの私達を心配させたが、今から考えれば、

南米かアフリカ辺りにケダモノ達狩りに行っていたか、ワシントン条約に違反し、

営業停止を強いられていたに違いない。

京都の人なら皆知っているであろうこのケダモノ屋は、今はもう携帯電話屋さんになってしまっていて、あの時の面影もないが、私が幼少の頃から何十年もの間、ケダモノ屋から貰ったロマンと、謎が深まる神秘的なドアの裏側は、今でも私の好奇心の中で元気に行き続けている。

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