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【子育て】 シドニー共育日記(第14回) Child Health CentreとMothers Groupの存在

最初の子供を産んだ後の新米ママにとっては、赤ちゃんにまつわる全てのことが目新しく新鮮な体験だ。

けれども、海外に住んでいるため、自分の母親や出産経験のある友人が身近におらず、

相談できる相手が少ない私たちにとっては、あらゆることが不安の種になりうることも確かである。

赤ちゃんが夜何度も起きて夜泣きをする、オッパイが良く出ない、出産後の疲れが取れない、などの理由で

孤軍奮戦しているうちに、あっという間に精神的に追い詰められてしまう。赤ちゃんの夜泣きのためよく眠れず、

日中ぼんやりしてしまい、赤ちゃんの世話だけで一日が明け暮れてしまう。大人と口を利く機会がなく、

夫が帰ってるまで誰とも話すこともない。育児書と首っ引きで自分なりに頑張ってみるが、そのとおりに行かない

ことがあると、孤立無援の状態となって途方にくれてしまう。仕事で疲れて帰ってきた夫は、育児の細かい

事情やあなたの出産後の体や精神状態に疎いから、あまり頼りにならないことも多いだろう。

 
そんなときに助けてくれるのが「Child Health Centre」と「Mothers Group」の存在である。
出産時に病院で、住んでいる地域によってどこのChild Health Centreに行けばいいのか教えてくれるので、

そこにこちらの母子手帳である「Blue Book」を持って定期的に赤ちゃんの健康と成育状況をチェックに行く。

定期的な検診以外にも、何か不安なことや聞きたいことがあればいつでも予約して専属の看護婦さんに相談できる。

くよくよと一人で悩む前に、何か赤ちゃんの健康や発達に関することで不安があったら、何でも相談したほうがいい。

的確なアドバイスをもらえるし、たとえ小さなことでも親身になって話を聞いてくれるので、

それだけでも安心することが多い。

 
一方、「Mothers Group」は、同じChild Health Centreで定期診断を受けている、同時期に生まれた初産の

お母さんたちを集めた会合である。そこで顔を合わせた人たちは、みな同じ地域に住み、かつ同じ頃に赤ちゃんを

産んだ仲間たちだ。

Mothers Groupは、育児に関するレクチャーを受けたり、個人的な出産体験や育児の状況についてざっくばらんに

お互いの体験をシェアする場である。他の新米ママたちの様々な体験を聞く中で、

「悩んでいるのは私一人じゃないんだ」「そんなケースもあるのか」と、自分の悩みが少しずつ客観化されていく。

一人で思いつめていたことが、みんなも共有する悩みだと分かったり、意外な対処法で乗り切った人の話を

聞いたりすることで、参考になったり、とっても気が楽になったりする。

 
私の場合、幸運なことに、Mothers Groupで出会った仲間たちとそのまま、子供たちを一緒に遊ばせる

Play Group」を立ち上げて、子供たちがかなり大きくなるまで毎週のように会っていた。

お互いの家や公園で赤ちゃんたちを連れて集まり、お茶やお菓子を持ち寄ってMorning Teaをしながら、

育児話だけでなく、話題のドラマや映画の話、夫との関係、教育情報の交換など、

四方山話に花を咲かせたものだ。

 
一人で家に閉じこもって赤ちゃんとだけ向き合っていると、本当に煮詰まってしまいがちな育児において、

こうしてみんなで育児体験を共有することによって、母子ともども精神のバランスが取れ、何より育児を

心から楽しむことが出来たのである。

 
(さかな)

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