自分が良いと思って選んだ絵本や本がなかなか子どもに受けなかったという経験はありませんか?
「自分が子どもの頃好きだったのに」
「評判が良く、お友達もお気に入りの本だと言ってたのに」
「児童文学の賞を取っている本だったのに」
なぜか我が子の反応は今ひとつ。それはもしかすると、子どもの実体験とうまくかみ合ってないせいかも知れません。
例えば、カステラやパンケーキの類を食べたことも見たこともない子どもが「ぐりとぐら」に出てくる巨大カステラを見ても、
それほどおいしそうだとは思わないかもしれません。子どもにとっては自分が知っていること、興味があることや、
やったことがある経験を絵本や本の物語の中で追体験できることが、本を楽しむ喜びにつながるようです。
そこで、私達の役目としては2つのポイントが挙げられると思います。
ポイント1.タイミングを見て本を読んでみる
時期的な節目(四季、入学、卒業、ホリデー、など)や行事、イベント(旅行、引越し、病気、など)を体験した後に
そのテーマに沿った本を読んでみる。またはイベントの直前でも、anticipation(期待感)を高める意味で有効だと思います。
また、日本帰国中や 帰国直後などに日本の幼稚園や小学校が題材になった絵本を読んでみると、
こちらで生活している子ども達にとっては、これまでよりも現実味を帯びたお話としてすんなり入りやすいようです。
ポイント2.追体験のタイミングを逃さない
親子で物語の中に出てきた場面に遭遇したら、「これって~みたいだね」 と今度は現実で、物語を追体験するというような
工夫をすることが大切だと思います。娘は 「Three Billy Goats Gruff (3匹やぎのがらがらどん)」を読んで以来、
しばらくは木橋を渡る度に、下にトロール(怪物)が居ないか確認していました。
子どもの想像力を 現実社会でも存分に広げて上げてください。
<今週のお薦め本>
「はじめてのキャンプ」 林 明子 作・絵
イースターホリデーにキャンプに出かけられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この本は、期待して買ったものの、娘の最初の反応はイマイチ。
でも、ある夏の日にキャンプに持っていて、テントの中でランタンの明かりを灯して読んだら、、、
見事にはまりました。キャンプに持っていくもの一覧が描かれているページではひとつひとつ、
自分が持ってきたものと同じかを確認したり、初めてキャンプをする主人公と一緒になって
ドキドキ夜を過ごしました。
この本は、幼年童話と福音館書店では位置づけており、挿絵がふんだんにある、児童書
という感じです。文字数があまり多くないわりに物語性が高いので、ぜひ日本語の読書として
小学校低学年以上の子ども達には、挑戦して欲しい一冊です。
でもまずは、、、読み聞かせで十分に 物語を楽しんでくださいね。
お勧めの絵本、知りたい絵本、その他 なんでも ehon@live.com.au まで(直美)
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