初めてのオーストラリア旅行、シドニー空港からタクシーに乗って市内へ向かっていました。その車中、「あまり外国にいるという感じがしないな」と思ったのを覚えています。今思えば、それは交通ルールが日本と似ていたからでしょう。アメリカや多くのヨーロッパ諸国では車は「右側通行」ですが、オーストラリアでは「左側通行」で、日本と同じなのです。
しかし、国が違えば規則が違うのは当然。正しく知っておかないと命にも関わってきます。ここでは、歩行者側から見た、日本と異なる主な交通ルールを見てみましょう。
★2種類の横断歩道の違いは?
オーストラリアの横断歩道は2種類あります。ひとつは二本線だけのもの、もうひとつは日本と同じ縞々(しましま)になっているもの(写真参照)。前者は信号で規制されており、歩行者は青信号のときだけ渡ることができます。
それに対し、後者は信号の代わりに黄色い標識(写真参照)が立っています。これは、歩行者優先を示しており、車は常に歩行者を先に通さなければなりません。日本にも同じようなルールが存在しますが、こちらでは日本より徹底しているように思います。ただ、マナーの悪い運転手もいますし、運転手から歩行者が見えにくい場所もあります。渡る際は周囲の車に十分注意しましょう。
二本線のみの横断歩道
縞々の横断歩道
縞々の横断歩道には、この歩行者優先標識が設置されています。
★自転車はオートバイと同じ
自転車はオートバイと同じように解釈されており、基本的には車道を走っています。ですから、日本のように自転車と歩行者がぶつかりそうになる、というケースは少ないようです。自転車に乗る際は、免許こそ必要ありませんが、交通ルールを熟知しておかなければならないでしょう。また、ヘルメット着用が義務付けられており、違反すると罰金の対象となります。ちなみに、オーストラリアで“バイク”と言ったら自転車のことを指します。
★全席シートベルト
車、タクシーなど、公共交通機関以外の乗り物に乗るときは、運転手だけでなく同乗者全員がシートベルトを着用しなければなりません。違反すると、着用していなかった本人が罰金の対象になります。ツアーバスにも適用され、出発前にガイドさんから「シートベルトを着用してください」と指示が出ることもあります。
州や地域により多少ルールが異なる場合もあるのでAustralian Automobile Association(AAA)のウェブサイト(http://www.aaa.asn.au/index.php)を参照してください。また、このサイト内からオーストラリア交通規則の日本語版もダウンロードできます。