7月26日(木)チフリープラザ内ジャパン・ファンデーション・ギャラリーにて飾り巻き寿司職人川澄健氏によるデモンストレーションが行われた。
会場には飾り巻き寿司に興味を持つオーストラリア人や日本人などが多数集まり、日本の伝統的な職人の技術に関するレクチャーや、川澄氏のユニークな飾り巻き寿司の発表を楽しんだ。
(左)ご挨拶をされるジャパン・ファンデーション上野吉之所長
(右)司会・通訳を務めた東京寿司アカデミーのKeiko Waters氏
ステージでデモンストレーションを行う川澄健氏
以下、デモンストレーション中の川澄氏のコメントより一部抜粋。
「シドニーは12年前に新婚旅行で来た思い出の土地です。」
「寿司のネタ、食べ方、調理法などは昔と今でずいぶん変わっています。元々は江戸時代に与平という人が始めたもので、手軽なファーストフードとして庶民に親しまれていました。当時は冷蔵庫が無かったので生の刺身よりも酢や醤油に漬けたネタが多く、抗菌作用のある笹の葉を間に挟むなどの工夫をしていました。」
「寿司職人は常に布巾で包丁やまな板を清潔に保ちます。カウンターはお客様からも見られるので特に気を使いますね。」
「オーストラリアの方々は白米を白米のまま食べる事になれていないので、つい醤油やわさびを付け過ぎてしまうようですが、わさびにも一度に食べると危ない致死量があるそうなので気をつけて下さいね。(笑)」
「包丁に関してですが、一つの包丁でも魚の頭を取る、うなぎを捌くなど、目的によって違う持ち方と使い方をします。また、刺身用の魚と寿司ネタ用の魚でも切り方と使う包丁を変えます。刺身は包丁全体を使って刺身の角がシャープになるように切ります。その方が美しく美味しそうに見えるからです。」
「100~150年前の寿司はレストランでなく屋台で食べられていました。そのため今のように醤油を別の皿でつけるのではなく、刷毛で刺身の上に塗って、そのまま食べられるようにお客様に出していました。という訳で、正しい醤油のつけ方はご飯側でなく魚側です。ご飯側につける方も多いかと思いますが、そうするとご飯が崩れてしまう事もあるので、やはり魚側につける事をオススメします。」
「当時の寿司はサイズが今の2倍ぐらいありました。魚のサイズはほぼ同じですが、ご飯の量が多かったのです。そしてその大きな寿司を食べやすいように半分に切って出していました。近年、寿司が2貫一皿に乗って出てくるのはその名残です。」
川澄氏による飾り巻き寿司を写真でお楽しみ下さい。
ご来場の方々。
(左)Ton Ton 店長松谷朋之氏
(右)Edwin Waters氏(ANZ)・Etsuko Hiraga氏(学生)
(左)Les Baker氏・Hora Pienovi氏・山口和憲氏(JAL)
(右)出倉憲秀氏(料理研究家)・Megumi Benett氏(Bonsai Art)
これまでの開催イベントレポートや活動報告が掲載されています。
ジャパン・ファンデーションスタッフによる活動秘話がブログ形式で掲載されています。
写真:Sydney Walker Studio