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豪州人救助者への感謝状授与式

3月26日の夕刻、総領事公邸にて、豪州人救助者への感謝状の授与式が行われた。
 
2007年2月14日、青森県青森市の八甲田山系 で雪崩事故が発生し、10人が死傷する惨事となった。
その際に現場近くにいた豪州人7名が、雪崩事故発生直後から行方不明者の捜索や怪我人の救出にあた り、多くの遭難者を救助することに貢献した。
この勇気ある豪州人の積極的・迅速、且つ連携した救助活動に対し、日本の青森県庁・青森県警察本部・青森市役 所から、それぞれ感謝状と記念品が贈呈された。
そしてこの度、在シドニー日本国川田司総領事が、これらの感謝状を伝達し、豪州人7名の功績を顕彰する式が 催された。
 
「彼らの働きとボランティアスピリットから、オーストラリアの精神である“マイトシップ”を感じました。」と挨拶をされる川田司総領事
 
 
ロス・マクスウィニー氏表彰状授与
 
ジョナサン・ディッシャー氏表彰状授与
 
ディビッド・ブラウン氏表彰状授与
 
デイビッド・スチュワート・トムソン氏表彰状授与
 
グレン・カークウッド氏表彰状授与
 
マーク・スピルスブリー氏表彰状授与
 
ロジャー・キャンベル氏表彰状授与
 
代表ジョナサン・ディッシャー氏の挨拶
 
 
式典前にはプレス向けに代表ジョナサン・ディッシャー氏へのインタビュータイムが設けられた。

以下はジョナサン氏から直接伺った現場の状況である。

 
雪 山レスキュー隊員として仕事をしているジョナサン氏とスキー仲間7人は3日間のスキー旅行で八甲田山に出掛けた。
しかし初日にロープウェイを使って山頂に 向かう頃から天候が悪化し、15分後には嵐となる。
その後、嵐は勢いを増し、強いブリザードとなってスキーヤーを襲った。その際の視界は約5メートル。
そ れ以降は全く見えない状況にあった。
 
比 較的吹雪の弱い林の間を抜けていく方が賢明と判断した一行は、木の中を100メートルほど滑り降りた。
するとスキーパトロールを呼ぶ声が聞こえ、声の呼ぶ 方向に進むと、男女計4名の日本人スキーヤーが負傷しているのを発見した。
一行はただちに救助活動を始めた。一行にはレスキュー経験が無かった者もいた が、次々と他の生存者を発見し、息のある者には心臓マッサージを行い、雪に埋もれている者は掘り起こして即席で作ったかまくらの中に入れるなどして体力の 回復を図った。最終的にグループ24人のうち、死傷したものは10名で、うち2名が死亡し、3名が雪の中に埋もれていたところを救助され、5名が負傷者と して手当てを受けた。
 
救 助に使われた道具は携帯用シャベル・ビーコン(電波発信機)・プローブ(伸縮できるアルミで出来た棒のようなもの)などで、これらを旅行中であるにも拘ら ずきちんと装備していたことが迅速な救助活動につながった。その後一向は現場から2キロメートルほど先にある休息所までスキーで降り、警察に通報したとい う。そして予定通り数日後に帰国した。
 
 
弊社記者が「救助活動を始めた際、救助をしている間に自分達も雪崩に巻き込まれるかもしれないという恐れは感じませんでしたか?」と質問すると、ジョナサン氏 からはきっぱりとした「NO」の返事と「目の前に命が危ない人間がいたら助けようと協力するのが当然だ。」という言葉が返ってきた。
 
会場では彼ら7人の勇気ある行動に拍手と感謝が送られ、招待された7人の家族・パートナーも誇らしげに表彰状授与を見守った。
 
川田司総領事と7名の集合写真
 
ご家族・パートナーの方々と
 

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