英語なんて大嫌い! 勉強したくない。でも、英語で悪口を言えるようになりたい…、などと思っている人多いですね。オーストラリアでの生活に英語は必須ですが、みなが皆、流暢に話せるわけではなく、みなさん苦労をしています。
「英語」はイギリス語でもアメリカ語でもなく、「英語」ですから、そんなに気にしないで日本人の英語を話して大丈夫ですよ。インドの英語も、香港やシンガポールの英語も、フィリピンの英語もあるわけだし。本場のスコットランドやアイルランドの英語なんて「英語?」と思うほどでしょ。
たまたま世界中に、大英帝国の植民地化とアメリカの資本主義化で、英語が急速に広まったおかげで、いちおう「英語」が世界共通語の役割を果たしています。(フランス人は認めたくないようですが…) でも、所詮、「英語」はある特定の民族・国家の言葉ですから、ほかの国の言葉をなんで一生懸命勉強して話さんとイカンの? と、しごくもっともな疑問を抱くのも当然ですよね。
もっと簡単な世界語みたいなものがあればいいのに…と、今日は無理やり思い込んでみました。(こうしないと本題に入れません)
そうです。12月15日は「ザメンホフの日」ですって。ザメンホフって誰? エスペラントの考案者のルドヴィコ・ザメンホフの誕生日です。
エスペラントって何? エスペラント(Esperanto)は、ポーランドのユダヤ人で眼科医のザメンホフという人が、1887年に世界に発表した言語で、世界語とか、国際語、世界共通語、国際補助語などと呼ばれている新しく作られた人工語なんです。
みんなが簡単に学べて、すべての人の第二言語として使ってもらおうと、国際補助語を目指して作ったんです。エスペラントを話す「エスペランティスト」は、世界中に100万人いるとされていますが、世界共通語というわりにはそんなに普及していませんね。結局、「英語」が世界共通語として普及しているので、いまさら新しい言葉を学ぼうという気が起きないのが現実なんでしょうね。
でも、エスペラントって「希望する者」という意味で、世界中の人たちがこの言葉を使って分かりあえれば、平和がやってくるという理想を求めるものです。だからヒトラーやスターリンはエスペラントの人道主義や博愛主義に危険を感じて、エスペランティストを迫害したんですって。そこが「英語」とは大違いですね。
エスペラントは民族の言語や文化をその歴史的遺産として尊重し、大切にする と同時に、それぞれの言語や文化の橋渡しの役目を果たすことを目的としています。
日本では1906年に日本エスペラント協会が発足して、二葉亭四迷がエスペラント学習書を発行するなどして、本格的な普及運動が始まったようです。
「日本エスペラント学会」(http://www.jei.or.jp/)のサイトを見ると、結構活発に活動しているようですね。
エスペラント語になった日本語にはこんなものがあります。ずいぶん「ー」(音引き)が多いですね。
aikido アイキード(合気道)
animeo アニメーオ(アニメ)
bonsajo ボンサーヨ(盆栽)
cunamo ツナーモ(津波)
eno エーノ(円)
harakiro ハラキーロ(腹切り・切腹)
karaokeo カラオケーオ(カラオケ)
karateo カラテーオ(空手)
kimono キモーノ(着物)
origamio オリガミーオ(折り紙)
samurajo サムラーヨ(侍)
tempuro テンプーロ(天ぷら)
ところで一番有名なエスペラント語の日本語は、みなさんご存知の「ヤクルト」(Yakult)です。これは「ヨーグルト」を意味する「jahurto(ヤフルト)」からきています。ほかにも車の名前をエスペラント風にしたものなど、身近なものに多いようです。宮沢賢治も有名なエスペランティストですが、「イーハトーヴォ」は、岩手をエスペラント風にしたものですね。
いまさら新しい言葉を覚えるなんて、無理、無理というあなた。お遊び感覚で一度エスペラントを学んでみませんか? 面白いと思うんですが。
エスペラントの旗
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