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スポーツ大国オーストラリアにおける水泳は、「お家芸」といっても過言ではないほど世界トップクラスの選手を有するスポーツだ。水泳代表チームの中で、名実ともに第一人者といえばステファニー・ライスさんの名が挙がるだろう。08年北京オリンピックでは世界新で3冠を達成して名を揚げたのは記憶に新しい。スポーツ界きっての美貌を兼ね備えており、下着モデルとしても活動。またチャリティー団体の支援にも熱心と、スポーツ以外の分野でも大活躍。2012年のロンドン五輪への試金石となる数々の国際大会が控える重要な2010年を向かえ、より厳しいトレーニングをこなしているライスさん。4月末に行われた国内グランプリに出場するためにシドニー滞在中のライスさんに、将来の目標や生活ぶりなどを伺った。 取材・文・写真:飯田裕子 |
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水泳を始めたきっかけを教えてください
赤ちゃんの頃から、水が大好きで、いつも泳ぎたいと思っていました。2歳で水泳を習い始め、子どもの頃はスクワッドトレーニング(複数の子どもが1つのグループになってコーチより指導を受けるトレーニング)を続けていました。15歳になって、集中して、懸命に練習すれば国際レベルの選手になれるかもしれないと思うようになりました。
北京オリンピックではリレー1種目を含めて3つの金メダルを獲得しましたが、特に200m、400m個人メドレーでは圧勝しました。レース前から、オリンピックという大舞台で勝つ自信はありましたか?
最終結果や順位のことは一切考えませんでした。レースの過程と私がマークしたいと思っていた目標タイムのことだけを考えていました。
オリンピックでの活躍により、周囲の環境が大きく変化したと思いますが、その点についてはご自身ではどのように感じていますか?
北京オリンピックが私の人生を変えたと思っています。私は以後、多くの浮き沈みを経験しましたし、非常に感情的にもなっていましたが、北京オリンピックは素晴らしい経験だったと思っています。
ここ数年の水泳界は水着問題により大混乱していました。それによる影響などはありませんでしたか?
水着問題により大論争が巻き起こりましたが、あの頃は誰でも高速水着を着用して良いことになっていたので、不公平な状況を作り出していたとは私は思いません。
私はあの「スーパー水着」でもよく泳げていましたが、2010年シーズンは新規制に従って作成された新しい水着でも自信を持って泳げると思います。
国際水泳連盟(FINA)が規制を変更した後は(FINAはことし1月から、ポリウレタン製素材の使用禁止、形状はフルボディースーツを禁止。ここ数年で「高速水着」と呼ばれていたタイプの水着を着用不可とした)、さまざまなメーカーの水着を試したかったので、どこの社ともスポンサー契約せずにいました。
ことしの抱負について教えてください。
2010年は複数の国際大会(主なものとして、パンパシフィック選手権<8月・米カリフォルニア州>、コモンウェルズ大会<10月・インド・ディリー>)があり、重要な年となります。高速水着を着用せずにレースし、どれだけの記録を出すことができるかがとても楽しみです。もちろん、アリアナ・クコルス(米国)やカースティー・コベントリー(ジンバブエ)との再対決にも興奮しています。
典型的な一日のスケジュールを教えてください。
午前4時半に起床してプールに向かいます。午前5時半にプールで泳ぎ始める前に、まず5キロ走ります。通常はその後プールで6キロ泳ぎ、午前8時に午前練習を終えます。急いで朝食を取り、ウェイトトレーニングをするためにジムにいきます。午前11時に自宅に戻り、昼食を取って、午後12時半から午後2時半に休憩を取ります。そしてまた午後4時から始まる午後練習の準備を始めます。まずは陸上で体幹などを鍛えるトレーニングを午後6時半~午後7時半ぐらいまで行います。そして6~7キロ再び泳ぎます。帰宅し、シャワーを浴びて、夕食を取り、テレビなどを少し観て、午後10時半に寝ます。
今回は、オーストラリアの名門ホテルスクール、ブルーマウンテンズインターナショナルホテルマネージメントスクール(BMIHMS:…