先日街を歩いていて気づいたのですが、歩行者用信号機の横に、数字が点滅する新たな信号機がついているのを発見。何だろうとよく見てみると、どうやら時間を表示しているんです。それも秒数で、次第に数が小さくなっていきます。5、4、3、2…という具合にです。(ははぁ、横断歩道だから、あと何秒で信号が変わるよと言いたいんだな)と思った次第。
この新しい信号機、どうやらシドニー市内のGeorge StreetとBathurst Streetの交差点と、Pitt StreetとPark Streetの交差点、2カ所に昨年12月から導入しているようです。正式名称は、「カウントダウン・タイマー」。歩行者の安全を確保するため、交通量も歩行者も多い交差点2カ所に、今年4月まで試験的に導入して、その効果を検証するということ。
まさにカウントダウンをして、早よ渡れ!と急かすわけです。
交差点を渡る際、信号が変わるのを待っていて、変わったと同時に渡れば問題なく渡り切れますが、遅れて交差点についた場合、あわてて小走りで渡ることになります。
オーストラリアの歩行者用信号は、緑が「WALK」で、赤が「DON'T WALK」ですね。もちろん多くの人が、赤が点滅する「DON'T WALK」」でも悠然と歩いて渡っています。なんだか時間が短いなと思うことってありますよね?
横断歩道の歩行者用信号の時間ってどうやって決めているんでしょう。もちろん歩行者が十分に横断できる時間になっているはずです。(そうですよね) そこで、横断歩道を渡り切ることができる時間は何秒なのかというと、ほとんどの人が、1秒に1mの速さで歩いているので、最低秒数も、この数値により設定されているそうです。計ってみると約18秒ありました。緑の時間は赤の半分ですね。
日本では青信号が点滅しますが、青点滅の時間は、「歩行者は、道路の横断を始めてはならず、また、道路を横断している歩行者は、速やかに、その横断を終わるか、又は横断をやめて引き返さなければないこと」となっています。つまり引き返すことを想定しているんですね。そのため、青の点滅秒数は、横断歩道の半分しか取っていません。これにより、渡り始めてすぐに点滅になった場合、引き返さずにそのまま進むと、途中で赤になってしまうんです。
オーストラリアでは、緑の時間が短く、すぐに赤点滅になり、その時間が長いですね。これは、緑のうちに渡り始めれば途中で点滅となっても、引き返さずに渡れる時間を保証しているからです。だから、信号が点滅しても(まだ大丈夫)と、悠然と渡るケースが多いんですね。
でも、法律では、緑は渡り始める合図で、赤の点滅時に渡り切れば良いとなっていますが、赤点滅時に渡り始めるのは違法となっています。罰金は15ドルから45ドルです! 実際にはとられたことはないですが。(罰金を科すのは事実上不可能と警察も認めています。)
それに人間の心理から、誰も渡っていない場合、自分が先頭に立って渡り始めるのは、躊躇します。ところが、誰かが渡り始めると一緒になって渡ります。まして、何人もの人が渡っていると、自分も、自分も、ということで、信号なんか確認せずに渡ることをしてしまいがちです。心理学でいう、「赤信号みんなで渡れば怖くない」現象ですね。
日本でも、もちろんそういう場面を見ることはありますが、どうもオーストラリアのほうが、日常化しているというか、ルールなんか気にしない輩が多いというか、そんな気がします。
ニュー・サウス・ウエールズ州では2010年に65人の歩行者が死亡し、2000人が負傷しています。シドニー市のこの実験は、市中心部での車の制限速度を40キロに落とし、また信号待ちの時間を短縮するという計画の一環で、その結果が注目されています。
歩行者向けに長い時間の信号にすると、今度は車が渋滞しますし、短い時間にすると、早く渡ろうと歩行者が殺到し、なかなか切れ目ができないということになりかねません。
歩行者がいない場合は短く、必要な場合は長くという、歩行者感知の信号システムが考えられていますが、故障したり十分な時間が確保されずに事故につながると困るので、結局、歩行者を感知したら秒数を伸ばすものはあっても、短くするものはないんだそうです。
このカウントダウン方式は、渡っている人には「もうすぐ変わるぞ、さっさと渡れ!」と促し、これから渡ろうとする人には「もうすぐ変わるぞ、あきらめろ!」と言っているようですね。
いわばファイナルカウントダウンです。あなたは渡りますか? それともあきらめますか?
起業家向け専門学校の成功事例: ジュリアのストーリー 今日は、ブラジルとカナダのバックグラウンドを持つクリエイティブな起…
みなさん こんにちは!iae GLOBALです。 いよいよ今週金曜日、クイーンズランド最大の留学エキスポを開催します。 クイ…