災害に苦しむ日本に比べるとオーストラリアはハッピーな国、ラッキーカントリーはいまでも健在だった…という見方ができそうです。
多くのオーストラリア人が、世界の国に比べて自分たちの生活満足度は高いと思っています。
今日のニュースによると、OECDの調査による世界40カ国の比較では、オーストラリアはその楽観的で明るいイメージが世界にポジティブな印象を与えているということです。
例えば平均寿命ではオーストラリアは81.5歳です。これは日本、スイスに次ぐ世界3位の長寿国ということになります。
自然環境の面でも、空気と水の質に対して国民のほとんど(93%)が満足していると答え、環境満足度が高い国になっています。
社会環境でも、汚職は少なく、防衛、司法、行政に対する満足度も高いという結果が出ています。また、ボランティア活動への参加、チャリティーへの寄金、人助けの意識が高く、人々の社会貢献度が高いと言えます。このような国はほかに米国、アイルランドがあるくらいです。
国民の参政権の尺度である投票率では、投票を義務づけている国を含む多くの国の投票率が低下しているなかで、オーストラリアは1980年以降、国民の投票率が高くなっている4カ国のうちのひとつで、特に95%の投票率はずば抜けています。また、若者の投票率が55歳以上の世代より高いという特徴があり、そんな国はほかにイタリアとベルギーのみです。
オーストラリアはカナダに次いで、マイノリティに対して寛容な国としても知られています。これは国民の25%以上が海外生まれで、15歳の子どもの両親の一方は海外生まれという多民族社会が背景にあります。
所得の面では、国民の世帯当たりの平均所得は、ルクセンブルク、米国、ノルウェー、アイスランドに次ぐ高額で、所得の増加率も3.3%と、高いものになっています。
なんだか、こんなにほめられたり、注目されたりすると、ホントにそうなの? と思わず考えてしまいます。
もちろんその一方で、オーストラリアは経済的な格差が広がっているのも事実です。経済的な公平感がなく、格差が広がっている国という結果が示されています。
このような各種調査で、オーストラリアやオーストラリアの主要都市が上位にランクされたりして、これまで私たちは気を良くしてきました。事実としてそういう環境、社会に暮らすわけですから、世界に胸を張ってよいのでしょうが、指摘されたように経済格差、社会的な格差が広がりを見せているのも事実です。
資源ブームや世界からの投資熱など、オーストラリアが注目されればされるだけ、富める者と貧しい者の差が広がるのも事実です。それを縮めるのが政治の役割ですが、しっかりと監視していきたいですね。
来月には連邦政府の新年度予算案が発表されます。快適な社会を持続していくような、そんな予算の振り分けを期待したいです。