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愛しているけど一緒に暮らさない

結婚していないけれど同居しているカップルは事実婚関係(デ・ファクト関係)にあるとされ、オーストラリアには多いと言われています。離婚の率も高いオーストラリアですから、結婚前の同居期間を長く持ったり、あるいは離婚を経験して再婚する気はないけれど同居するというカップルが多いのではないでしょうか。

ところが最近では、つきあっていてお互い深い関係にあるけれど、同居もせずに長くつきあうというカップルが増えていて、全国に110万人もいるという調査結果が発表されました。(Family Matters, Australian Institute of Family Studies)

これによるとオーストラリアの家族統計で独身とされている24%の実態が、実はこのような新しい事実婚関係(living-apart-together=LAT)にあるということが明らかになりました。

このLATグループの人たちは、特に若い世代では3年以内に同居をしたいと考えている傾向にあるようですが、45歳以上のカップルの3分の2は同居の意志がないようです。

なぜこのような関係のカップルが増えてきたのかというと、離婚率が高くなっていることや長寿になっていることが影響していると言われています。45歳以上の場合、多くは離婚の経験があると思われ、お互いの生活の事情や生活習慣の違いなどを考えて、いまさら同居に向けた努力をするより現実的にリスクを回避する方法を選択しているようです。

この「同居をしないパートナー関係」というLATですが、どのくらいの期間かというと、40%は1年未満で、28%が3年以上、全体の平均は1.5年間です。お互いのおつきあいですが、75%は週に少なくても3回は会い、毎日会うカップルがかなり多いようです。こうなると一緒に住まないだけで、その他の行動は結婚しているカップルと何の違いもないようです。

調査ではLATグループの人たちを、以下の4つのタイプがあるとしています。

1) 25歳未満で未婚で子どもがいない

2) 25〜34歳で未婚で子どもがいない

3) 30歳以上で結婚経験と子どもがあるひとり親

4) 45歳以上で結婚経験がある

そしてヤングアダルトの多くは、3年以内に同居をはじめ、将来は結婚する意志が高いとされています。以前は、この若いカップルたちは家族や周りから早く同居して結婚するようにプレッシャーを受けたものですが、最近ではこのLATグループに属するようになっているようです。

もちろんLAT関係にいると、周りからはカップルとして認められないとか、お互いの生活があるので家賃や光熱費などそれぞれが負担して軽減することがないとか、同居することでできる貯蓄ができないとか、いろいろとデメリットもあるようですが、それ以上に快適な暮らしや関係性があるということです。

お互いに愛を確かめあうけれど、一緒に暮らすこともなく、それでいて強い絆を保つというLAT関係。オーストラリア社会の変化が、この新しいソーシャルグループの出現を後押ししているようです。

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