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働けるならさっさと働け?

バジェットが発表されました。毎年5月に、翌年度の連邦予算(Budget)が発表されます。

新年度の2011/12年度(2011年7月〜2012年6月)は226億ドルの財政赤字を予測していますが、2012/13年度には35億ドルの黒字回復を図るとしています。経済成長率は、今年度は2.25%の見込みで、来年度は4%成長を予定しています。資源ブームでオーストラリア経済は引き続き好調だというわけです。失業率も、2012/13年度には4.5%まで下がるとしています。

今回の予算案の特徴は、財政赤字の解消と雇用の充実です。全体で220億ドルの削減を行い、年収15万ドル以上の家庭への手当の凍結や、洪水対策税の導入、太陽光パネル設置補助金の削減、その他社会保障手当の削減などで資金を捻出しています。いわゆる緊縮財政ですね。

また、長期失業者や障害者、10代の親に対して雇用機会を与える対策を講じて、雇用を促進するとしています。あまり社会保障手当を頼りにせずに、働ける能力を有する者には、積極的に求職機会を与えて、永続的に雇用させようとしています。

まあ、当然と言えば当然の措置ですね。もうかなり昔のことですが、10年以上も失業手当で生活している人をテレビが取り上げたことがあります。見た目も普通で健康体で、働くことに何の支障もない男性でした。働く気もなく失業手当で10年以上も生活していることに驚きと非難が集まり、中には、すぐ雇うのでうちの会社に来いというオファーまで寄せられました。その後、失業手当の受給条件が厳しくなりましたが、それでも優遇されているとの指摘はいまでもあります。

また、雇用機会を増やす教育訓練予算として30億ドル、さらに資源関連業界での雇用確保のために新たに1万6,000人の移住者増を計画しています。

こうして見ると、これまであった予算案の目玉としての所得減税が今回はまったくないので、緊縮予算となっています。オーストラリアの国の財政は赤字ですので、220億ドルの支出削減と雇用創出により、2年後には黒字転換を目指すということです。

はたしてうまくいくのかどうか、ギラード首相の(というかスミス財務相の)お手並み拝見というところです。

私たちにとっては、クイーンズランド州とビクトリア州の洪水対策のための洪水特別課税(1年間限定)や、医療保険料の値上げ、そして炭素税導入による物価の上昇が重くのしかかってきますね。

来年度の家計費は、国家予算同様、緊縮家計になりそうです。

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