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5月14日(土)に催された日本応援のチャリティーBBQに行ってきました。このチャリティーBBQは、オーストラリアの食肉家畜生産者事業団による「Together with Japan」(いっしょにがんばろう、日本)キャンペーンの一環で催されたものです。
オーストラリア人や日本人の家族連れが多数集まって、用意されたステーキバーガーやソーセージロールを口にしました。この日の売上はすべて日本の復興支援や被災地の学生の奨学金に使われるということです。
ところでこの食肉家畜生産者事業団は、日本にオーストラリア産の牛肉や羊肉の輸出促進を行う団体です。いわばオーストラリアの畜産農家が、日本の畜産農家を支援するために立ち上がったというわけですね。
でも、アメリカ産牛肉の狂牛病(BSE)問題が起きた際に、「オージー・ビーフ」を日本に輸出する好機として大いに頑張ったのが、この事業団ですね。ということは、今回のチャリティーBBQも、いわば商売敵にあたるオーストラリアの畜産農家が、被災して牛肉の提供ができなくなった日本の畜産農家を尻目に、ここぞとばかりに売り込みに立ち上がったプロモーション活動の一環かと思ったほどです。
こんな穿った見方をしてしまいましたが、実は、同じ畜産農家同士、困った時はお互い様ということで支援に動いたというのが実態でしょう。まさに敵に塩を送った上杉謙信の故事を思わせるエピソードですが、オーストラリアのマイトシップの現れかもしれませんね。
今回のチャリティーBBQには、宮城県と福島県から和牛生産者の方が招かれて来ました。福島県飯舘村からは山田信さん、佐野裕さんが、岩手県陸前高田市からは小澤睦子さんが来られたのですが、みなさんオーストラリアの支援に感謝の言葉を述べられていました。
小澤さんは、家族や親戚8人を亡くするという悲しみの中、この招待の話しがあってもオーストラリアに行くべきかどうか悩んだといいます。「この話を持ってきたのが全農(全国農協連合会)ですが、全農はまったく被災者調査など何もしていない状況の中、オーストラリアの畜産農家からこのような支援の話しが来て、嬉しかったです。それで行くことを決心しました」「日本の政府が被災者に具体的に何もしていないなか、外国からの招待が来たので驚きました」「同じ牛を扱う農家としての共通の思いが通じたようで、連帯感を感じました」と話してくれました。
また、放射能汚染で全村避難する飯舘村から来た佐野さんは、キャンベラの国会議事堂を訪問して農業大臣と会見したことに感激したこと、また「飯舘村は津波の被害はなかったものの、風評被害で苦しんでいます。帰ったら避難しなければならないけれど、牛と一緒に避難生活ができないのでどうしようか困っています」「避難生活にしても費用など何も具体的な話しがない以上、どうしてよいか分からない」と現状を訴えていました。
同じ飯舘村から来られた山田さんは、「世界各国から支援を受けて大変ありがたく思っています。生活・文化は違いますが、困った時はお互い助け合うのが大事だと思います。国境を越えた支援の輪に感謝します」と話されていました。
3人とも口を揃えて、「日本に戻ったら、オーストラリアや海外からの温かい支援があることをぜひ仲間に伝えたい」と話してくれました。また、山田さんは、落ち着いたら今度は家族を連れて是非またオーストラリアを訪問したいと言ってました。
オージービーフを仲介とした支援の輪が広がったこのイベント、参加された多くの方が改めて日本の被災状況を知り、また支援の手を差し伸べようと心を新たにした日になったようです。
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