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葬儀もエコの時代に!

高齢化社会や核家族化、都市化が進んでいくと、お葬式にも変化が現れてきています。まず、お葬式をしても高齢で亡くなった方の友人・知人の参列者がいないというのです。結局、家族だけのお葬式になってしまうケースが多いようです。都市化によって町内会のつながりが希薄になって、周り近所の人の参列者もないような状態ですから、そもそもお葬式自体取りやめてしまう人もいるといいます。すぐ火葬場に直行するので「直葬」というのですが、多いようです。

時代とともにお葬式も変化の波に晒されているということなんですね。

オーストラリアのお葬式事情はどうなんでしょう。

いま、オーストラリアの人口の9.4%は70歳以上で、約215万人います。5年後には10%、250万人になり、葬儀社にとっての「お客さん」が増えてくるとの予測がされています。葬儀業界では売り上げが10億ドルを突破するとみていて、盛んに葬儀の生前予約の広告をしています。これが高齢化社会の現実ですね。

オーストラリアでは火葬と土葬の選択がありますが、都市部での葬儀は、10年前は火葬と土葬の比率が55:45と、ほぼ半々だったのが、今では65:35と火葬が増えています。その大きな理由は費用です。土葬の場合、その費用は、平均的な火葬の場合より50%割高になっています。ところが埋葬する土地が不足していて、最近では約1万ドルも値上がりしているようです。そのため、土葬をやめて火葬にする人が増えています。

こうなると当然、経費節約のさまざまな方法が考えられることになります。

要は埋葬する土地の面積を減らせば、つまり使用するスペースを小さくすれば、費用も安くなるのではということで、これまでは棺を遺体を寝かせた状態で埋めていましたが、遺体を立たせたままで埋めれば省スペースになるという案が考えられました。

実際にビクトリア州の墓地で昨年10月に立式土葬が行なわれました。遺体を生分解性の布に包んで、立たせたままに埋めたそうで、なんだか中国の秦の始皇帝陵の兵馬俑の兵隊さんですね。棺や墓石もなく、費用も2,750ドルと通常の半額ですんだとか。棺なしで埋葬するには特別な許可が必要になるので、いまのところニュー・サウス・ウェールズ州ではまだ行なわれてはいませんが、安上がりでいいと広まることになるのでしょうか。

でもこれって、「自然」で「グリーン」で「エコ」な葬儀なのかな? 棺だって、段ボールで作ったりするエコ埋葬が増えたりして。

以前に、お墓のスペースが足りなくなって来たので、何十年も経って近親者もいないお墓を掘り返して、新たにその場所に埋めたり、お墓の上に新しい遺体を重ねて埋めたり、少ないスペースの有効利用が行なわれていたのですが、そんな方法よりも、このエコな埋葬は画期的だとばかりに増えていくのでしょうか気になるところです。

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