シドニーの災害発生確率(最終回)
オーストラリアにも自然災害の不安要因はあります。身近に起きる災害に注意して、万が一の時の備えを十分にしましょう。
オーストラリアで考えられる災害を以下に挙げてみました。
(1)地震
(2)サイクロン
(3)洪水
(4)ブッシュファイヤー
(5)感染症
(6)熱波
(7)太陽フレア
(8)津波
最終回の今日は、(6)熱波、(7)太陽フレア、(8)津波についてです。
(6)の熱波、HEATWAVEですが、近年シドニーも猛暑日が続くようになってきました。日中の猛暑と夜は熱帯夜という苦しい真夏日を感じることが多くなりました。
地球全体の温暖化の影響といえばそうなのでしょう。確かに30年前や20年前と比べても、シドニーの夏はカラッとした天気から、湿度の高い蒸し暑い夏に変化して来ています。もはや日本の東京の真夏日とそれほど大きな違いがなくなってきたかのようです。
とはいっても、日本で起きた、猛暑による死亡事故の続出というようなことにはまだ至っていません。これからシドニーでもそんなことが起こるのでしょうか。ヒートウェーブの危険度は近年、激しくなっているのは事実です。
(7)の太陽フレアですが、あまり聞かない言葉ですね。太陽フレア(Solar flare)とは太陽の表面の大気中に発生する爆発現象のことです。爆発によってフレア(炎)が発生すると、多くのX線やガンマ線、高エネルギー荷電粒子が発生します。また、デリンジャー現象や磁気嵐、オーロラ発生の要因ともなります。
1989年には高エネルギー荷電粒子の発生で、カナダのケベック州で電力網に負荷が生じて大停電になりました。2003年の太陽フレアでは、地球上の衛星、無線通信に多くの影響がありました。太陽フレアのX線により、GPSナビゲーションシステムに影響が出たりします。
今日、電気なしでは生活できないほどに私たちは電気のある生活の中にいます。その電気が停まったり、電波障害が発生したりすると、とたんに毎日の生活に大きな影響が出ることになります。
最後の(8)の津波ですが、シドニーは日本やニュージーランド、インドネシアのように津波の心配はほとんどありません。大陸のプレート境界から離れているため、ほとんど津波が来ません。チリ沖地震で津波が西太平洋岸を襲った時でも、高さ約2メートル以下でした。ニュージーランドのおかげで津波が遮られているのですね。
だからといって安心はできません。特にチリ沖地震の津波の際は、警報が出たとたんに多くの市民がボンダイビーチに出かけ、津波を一目見ようとしたほどです。このオーストラリア人の能天気な性格が災害時に大きな危険を引き起こします。
こと自然災害にあっては、十分な注意と備えが大切です。たとえ予想が外れて災害が起こらなければ、それはそれで結構なことです。「オーストラリアは地震や津波がない」などと高をくくることのないようにしたいものです。
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