新年度が始まり、お決まりのように諸物価の値上げが発表されて「あ〜ぁ、大変だ」と思っているところに、ギラードさんが炭素税の詳細を発表しました。昨日のメディアは炭素税一色でしたね。
2012年7月1日から、この炭素税が導入されて、温室効果ガス1トン当たり23ドルという価格を発表しました。特に排出量の多い500社を対象に炭素税を課税するということですが、当然、企業の負担は消費者に回ってきます。週平均約10ドル程度の負担になるんだそうです。政府は、平均所得15万ドルまでの世帯に対して、やはり週平均10ドルの補助金で負担を軽減するとしていますが、果たしてそううまくいくのかどうかしらん。
結局、平均して数パーセントの物価上昇は避けられないだろうと見られています。だいたい、二酸化炭素をいっぱい出している会社に、その分税金を課すから、そんなに排出しなくなるだろうという楽観的な予測は、うまくいくのでしょうか。
結果としてきれいな空気になればありがたいですが、そう単純じゃないだろうと疑ってしまいます。
新年度早々、値上げや炭素税で、家計が大変という雰囲気のところに、追い討ちをかけたのが、シドニーやメルボルンが世界ランクインというニュースです。世界ランクインといっても誇るような項目ではなく、「物価の高い都市トップ10」の話しです。
先週発表された「Worldwide Cost of Living 2011〜Which city is the most expensive to live in?」(Economist Intelligence Unit)によると、もちろん世界一は東京でした。最も生活費の高い都市、トップ10は…
(1)東京
(2)オスロ(ノルウェー)
(3)大阪/神戸
(4)パリ(フランス)
(5)チューリヒ(スイス)
(6)シドニー
(7)メルボルン
(8)フランクフルト(ドイツ)
(9)ジュネーブ(スイス)
(10)シンガポール
なるほどなぁと、納得でしょうか?
オーストラリアでは、パースが13位、ブリスベンが14位に入っています。もちろんここ最近の豪ドル高が原因でしょうね。不動産価格も上昇しているし、当然、住宅ローンの金利も上昇。新年度の諸物価上昇もあって、ここしばらくは世界でも物価の高い国としてオーストラリアがイメージされてしまうんでしょうね。
日本からやってくる人たち皆が、口を揃えて「オーストラリアは物価が高いね」というのは当たっています。
コスト・オブ・リビングが上昇しているのですが、それでも気候がいい、環境がいい、快適な生活ができる、というイメージがまだオーストラリアにはあるようで、放射能汚染におびえる日本人が海外脱出とばかりにオーストラリアを目指す人も多くいます。
で、来てみてあまりの物価高にビックリしてしまうのではないのかしら。
資源ブームだとか、国民の平均所得は高いとか言いますが、全体をならすとそうかも知れませんが、格差が広がっていて、多くの庶民はそんな実感を持っていないようです。物価高に対向する庶民の智恵をひねり出す必要があるようですね。
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