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オーストラリアの日本人は、日本の外務省による「海外在留邦人数統計」によると、約7万人で、これは国別では米国、中国に次ぐ3番目です。邦人数世界第3位とはいっても、1位の米国約38万人、2位の中国約13万人と比べると、いささか少ないですが。
最近のオーストラリアに住む日本人の傾向は、企業駐在員や留学生などの長期滞在者が減少傾向にあり、国際結婚や仕事の関係で永住する人が増えていることです。特に、国際結婚される日本人女性が増加しています。
大雑把にいうと、オーストラリアに住む日本人の男女比は、1対2です。先述の統計では、オーストラリアを含む大洋州での男女比は、男性36.4%、女性63.6%ですが、この比率は世界の平均(男48.1%/女51.9%)を大きく超え、アジアや北米、中南米、ヨーロッパ、中東、アフリカなどの地域の比率よりも、特に女性の比率が高いことを示しています。
日本女性は南半球、オーストラリアを目指す?
永住者の増加と女性の増加…その結果、いま何が起きているかというと、例えば企業駐在員が中心の日本人会という組織の会員数が、ここ数年減少傾向にあり、シドニー日本人会では会費収入の減少により、会の運営や活動内容に大きな影響が出ています。
また、日本人女性がオーストラリア人男性と結婚して、オーストラリアに移住するということは、生まれてくる子どもたちへの日本語教育の必要性が高まるということです。
近年の、30代の日本人女性の増加により、子どもに日本語を覚えてもらいたいとの母親の願いが、結果として日本語補習校の必要性に結びつき、シドニーでは8校もの日本語学校・補習校が運営されています。
さて、そんな話をくだんの女性たちと話していたところ、「でも他の民族のコミュニティと比べて、日本人コミュニティはあまり団結力がないわね」という結論に…。そして、その理由が、近年増えている日本人女性にあると言うのです。
夫がオーストラリア人ですから、夫の人間関係や周りの地域コミュニティに従う傾向が強く、夫が日本の文化や社会に強い理解と関心をもっていない限り、どうしてもオージー流の生活が優先され、日本人コミュニティへの参加度があまり高くならないというわけです。
日本人は中国人や韓国人に比べて、同族意識や地縁、血縁の関係が希薄だなどと言われていて、あまり群れたがらない民族性?などと思ったりしましたが、このオーストラリアにおける永住者の状況、特に国際結婚される日本人女性の増加傾向にみるコミュニティ意識の特徴は、当の女性たちの言葉だけに、なるほどなぁと思ったのでした。
この統計を見ていて、女性の比率もそうですが、オーストラリア(大洋州)は世界の他の地域に比べて、長期滞在者の傾向でも著しい特徴があります。
他の地域では、長期滞在者は企業駐在員が多いのですが、なぜかオーストラリアは企業駐在員が一番少なくてワーキングホリデーなどが多いという特徴があります。そして永住者では女性が一番多いということで、どうもオーストラリアは世界でも日本人にとって特別な国のようですね。
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