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郊外の閑静な住宅街に、前庭と広い裏庭があり、もちろんプールがあって車2台のガレージ、部屋は4ベッドルームでバスルームは2つ…、そんなマイホームがオージーの夢でした。
ラッキーカントリーと称されて羽振りのよかった頃には確かにそんなお家も夢ではなかったのですが、世界金融危機など経済が悪化してきて、いくら資源ブームだとはいっても格差が広がっていて、なかなかドリームホームの実現は難しいようです。
リーマンショックの前と比べて、家の広さがどうなったかというと、新築の4ベッドルームの家の平均的な広さは約20%縮小しています。3ベッドルームでは26%も小さくなっています。2007年に約310平方メートルあった4ベッドルームは、2011年には約240平方メートルにダウン、3ベッドルームは240平方メートルから160平方メートルになっています。
平均で70平方メートル小さくなったおかげで平均購入価格も約4万ドル〜6万ドルほど下がっています。この間、5ベッドルームの家は激減し、代わりに3ベッドルームの家が増えています。2007年と比較すると、5ベッドルームは新築物件全体の10%を占めていましたが、2011年にはわずか2%に減りました。4ベッドルームも69%から64%に減少し、逆に3ベッドルームは21%から34%に増えています。(Stockland Research調べ)
ある住宅開発会社では、小さめの3ベッドルーム・2バスルームの家は今日では「new sweet spot」だと話しています。
なぜダウンサイズして小さめの家が増えているのでしょう? 経済的な理由からだけではないようです。
大きなサイズの家よりは、小さいサイズの家の方が環境によいという考え方があるようです。オーストラリアは干ばつ被害が深刻ですし、水の節約は重要ですし、光熱費の上昇も大きな問題です。
そのため、ホールウェイやメディアルームを削り、エクストラのベッドルームも削って、そのかわり庭に面した広いオープンプランのリビング・ダイニングにする傾向が増えています。
もちろん都市部周辺にそんなに広い住宅スペースを確保できないとか、緊縮している経済状況とか、外的要因も強いのですが、これまで「McMansions」と称されてきたオーストラリアの広い家も、もっと手頃に手に入れられるようなサイズのものになってきているようです。
世界から「うさぎ小屋の住人」と形容された日本人には、それでも十分豪華な家に見えますが、どうやらオーストラリア人は「スモール・イズ・ビューティフル」の時代に向かっているようです。
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