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WHO(世界保健機関)による平均寿命ランキング(2011年)によると、世界の平均寿命は、男性が66歳、女性が71歳、男女平均が68歳となっています。日本人の平均寿命は、男性が80歳、女性が86歳、男女平均が83歳。オーストラリア人は、男性が80歳、女性が84歳、男女平均が82歳。(統計数字は2009年のもので、端数を四捨五入しています。)
よく、日本は世界の長寿国と言われますが、オーストラリアも結構な長寿国なんですね。
最近発表された統計では、所得が上位20%なら、下位の20%の人たちより、約6年寿命が長いというのです。このような所得と寿命の関係は以前から言われていることで、高所得者はそれだけ生活に余裕がありますから、健康に注意をし、身体に良いものを食べ、ジムに通って適度な運動をするなど、ストレスの少ない余裕のある生活を送ることができるからです。
一方、低所得者は、切り詰めた生活をし、長時間労働により食事も手間をかけないもの中心となり、またストレスのある生活で、あまり健康に注意を払うことがないからだと言われています。
さらに、教育についても、Year 12で働きに出た高卒の人と、大学に進学した人との比較では、大学進学者の方が高卒の人より寿命が4年長いという結果が明らかになりました。お金持ちの家庭では子どもの教育に熱心で、お金をかけて優秀な学校に入れてということが可能ですから、当然といえば当然ですね。
それを裏付けるように、オーストラリア統計局の発表(2009年)では、アボリジニ(オーストラリア先住民)の人たちの場合、ほかのオーストラリア人に比べて約10年、寿命が短いとされています。これはアボリジニの人たちのおかれた社会的環境が、非アボリジニの人たちよりも劣悪な環境だということから来ていますし、平均所得や学歴も、総じてほかのオーストラリア人に比べて低いという現実があります。
メルボルンの研究機関によるこの調査は、1万4,500人を対象に、毎年その死亡率と居住地域を調べたもので、たとえば、裕福な家庭の多い地域と、低所得者層が多い地域との違いを明らかにしています。
高所得者層が多く住む地域に居住している男性では4年、女性では2年、低所得者層の多く住む地域の人たちより寿命が長いことが分かりました。
もちろん、そう単純な話しではなくて、調査した学者も言っていますが、高額所得者層が多い地域を中心に、末期患者病棟などの医療施設が設けられていれば、当然、延命措置により死亡時期が延びて、統計数字としての寿命は長いという結果が出てきます。
そうなると、寿命が延びたから良いんだという話しではなくて、いかに充実した人生を送るか、ということがポイントになります。
所得が少し多くなったり、大学を卒業できたり、ということはもちろん本人にとって嬉しいことでしょうし、社会的にもある地位を得ることでもありますが、たとえそれで3年、4年寿命が延びたからといって、それを手放しで喜んでいてもしようがないのかなと思うのですが。
(水越)
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