”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート) |
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Joe Tsuda のプロフィール
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。
趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
今週の主な予定、イベント
11/21(月)日銀議事録、10月日本貿易収支、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
22(火)10月米中古住宅販売、第三四半期米GDP改定値、第三四半期個人消費、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁、FOMC議事録
23(水)日本祝日、11月ユーロ圏製造業PMI、非製造業PMI、10月米耐久財受注、10月米個人所得・支出、新規失業保険、米超党派による財政赤字削減策提出期限
24(木)11月独ifo景況感指数、米国祝日、第三四半期独GDP確報値、第三四半期英GDP改定値、RBAスティーブンス総裁講演
25(金)10月日本消費者物価
マーケットの焦点
キーワード― 欧州債務問題(スペイン、イタリア、仏)、欧州ぞくぞく新政権誕生、米国財政赤字削減策
どうもお久しぶりです! 2週間ぶりですか、、、、、
日本には毎年帰ってますが、今年は大震災があったせいか、いろいろな事象が心に滲みる思いでした。
しかし日本は実際に中に入ると相変わらずよくわからない国です。景気がいいのか悪いのか(悪い悪いと聞きますが、巷は賑わっていました)また国会中継など見るに、いろいろ細部は論じられてはいるものの、どうもどの議題も国民不在というか、議論のための議論のような感が否めませんでした。
さて、2週間市場から離れていましたが、その間市場にどんな変化があったか?
まとめれば「欧州債務危機の汚染地区がギリシャからイタリア、スペイン、フランスまで拡大した」ということでしょうか?
株価や商品市場、そして通貨市場を見てみますと、原油価格と豪州株価(All Ords)が例外的に若干上昇している以外はすべて、この2週間で値を下げており、リスク回避の動きが依然として活発であったとの印象です。
一方、通貨市場ではドル円や円クロスが下落し、ユーロ、ポンド、豪ドル、カナダドルが下落しており、これまたリスク回避色が鮮明ですね。
とくに財政赤字劣悪国ギリシャ一国の問題が、悪化の度合いがマシであったスペイン、イタリア、そしてフランスまで拡大し、ユーロ圏上位国イタリアやフランスの国債利回りを危険水域である7%近辺まで押し上げている点が非常に気になります。
どうもCDF(クレジットデフォルトスワップ)など本来信用リスクを補完する手段に対する需要(またはスペキュレーション)が、さらに信用リスクを強めているように思えます。
今年も年末が近づいてきましたが欧州問題はいつ解決するのか?
今回の欧州債務懸念が拡大し始めたのが9月上旬と考えると、かれこれ3カ月目となります。よく比較されるリーマンショック時と比較すると2008年9月のリーマンショックから市場が回復基調となるのが翌年の3月、つまり半年余りを要しているわけです。
そう考えると欧州問題はまだ道半ばと考えざるを得ません。
いや今後緊縮財政から欧州景気がリセッションに陥る可能性も指摘されていますが、欧州リセッション→世界経済後退という最悪シナリオをぶち上げる悲観論者も少なくありません。
欧州危機ぼっ発以来ほとんどの問題国で政権が交代しました。
アイルランド、ポルトガル、ギリシャ、イタリアそして先週末のスペインです。
しかし政権が交代しても即効力なる妙薬などはないのが事実でしょう。
さしずめ今週はイタリアやフランスの国債利回りの推移を注視し、また米国の超党派委員会による財政赤字削減策提出期限を23日(水)に控えて米議会の動きにも注力する必要があります。
個人的には欧米債務問題の解決策は妥当かつ信頼できるプロセスを経て見出す以外に奇策はなく、更に痛みと時間を伴うことが予想されますが、それ相当の努力と時間の経過が解決に導くものと思っています。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9964-1.0226 AUDYEN 76.60-79.75
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9850-1.0150 AUDYEN 75.00-79.00
”下値テスト後、やや戻し”でしょう
この1週間というか私が不在でした2週間の間に豪ドルは1.04台から0.99台に、また豪ドル円は81円台から、76円台まで下落しました。
それも一日数百ポイントという暴落ではなく、戻りもなく”だらだら下げた”との印象で、非常に後味の悪いベアマーケットであったようです。
つまりギリシャ危機一服感からリスク選好色が戻りかけた矢先に、イタリア、スペイン、フランスなどの規模が大きな国の債務問題が冷水を浴びせ、豪ドル買い戻しをしていた連中が徐々に豪ドルを投げ売りに出た様が想像できます。
上述のように欧州債務危機に関しては”優良国への飛び火”という新たな局面を迎え、加えて豪州国内でも12月再利下げの思惑が強いようです。
つまり海外要因からも、国内要因からも”現時点で豪ドルを買う理由がない”との悲観的な見方もあるようです。
今週は木曜日にスティーブンスRBA総裁の講演があるようですが、彼は従来からタカ派の時には執拗にタカ派的発言を繰り返し、反対にハト派に転ずると、また執拗にハト派的発言を繰り返す習性があるように思います。(自分の正当化のため?)
豪ドルの運命もまさに”欧州問題次第”という感がしますが、まだ底値達成感はありません。
10月上旬の安値(0.93台、72円台)と10月下旬の戻り高値(1.07台、83円台)の”半円戻し”を既に下にブレークしており、続落の可能性がありますが、”常に行き過ぎるのが豪ドルの特性”ということを考えれば、売り過ぎ感を訂正する局面もあるように思えます。
それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j
サンプル例を添付させて頂きます。
・現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
・外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!
本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、
それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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