なにやら仙台では景気が良いのだそうです。震災の影響で、岩手、宮城、福島の東北三県は、それこそ住民が避難し、観光客も来ず、景気が良くなる気配もなく…、と思っていたのですが、どうも復興需要が現れているようです。
いま、東北の沿岸部では、ここにきてようやく被災地の復旧、復興作業が急ピッチで進められていて、特に建設業界が潤っています。そりゃそうです。がれきの処理や住宅の建設、ビルの復旧等々、労働者も全国から集められて、日夜忙しく作業が進められています。
しかし、労働者の皆さんは、一日24時間、朝から晩まで働くわけにはいきません。そんなことしたら倒れてしまいます。しっかりと休んで、また明日頑張るという毎日を繰り返さなければならないのです。
で、明日の英気を養うために、仙台市の歓楽街へと毎夜、繰り出すのです。当然、客引きのお兄さんも、キャバクラの女の子も、お店にお酒を卸す酒屋さんも、帰りのタクシーの運転手さんも、みんながそこそこ忙しくなって、儲かっているというわけです。
なんだか、「風が吹けば桶屋が儲かる」お話しですね。
いま仙台市では、そんな復興需要による景気の良い話しを聞きつけて、さまざまなビジネスがここぞとばかりに進出してきています。おかげで商業不動産市場も空き室率が減少するなど、結構な景気のようです。
高級外車は前年比165%の伸びを示し、高級時計は2倍の売り上げ、デパートの売り上げも115%に、宝飾品も売り上げ1.2倍と、なんだかすごいようです。
本当にそんな復興需要による高景気が各地の被災地で巻き起こればよいのですが、しかし、そんなわけでもなく、いまのところ仙台などの都市に限られているようです。それでも、もちろんないよりはましですし、これから各地の被災地で徐々にでもそんな動きが出てくるでしょう。
2012年の見通しについて、多くの企業経営者たちは皆さん明るい予想をしています。震災需要やオリンピック景気があったり、消費需要があるというのです。それに、一見、震災復興や欧州の経済不安、政治の先行き不透明感など、ネガティブな要素が大きくてどうなるかわからない状況だからこそ、いってみれば大きく変化があると思われるため、逆にそれがビジネスチャンスにつながるという人もいます。
やはり賢い経営者は、この状況を大きなビジネスチャンスと捉えて動いているのですね。そこで大事なキーワードが、「先送りせず決断する」ということです。ビジネスチャンスを生かすにも、このことが一番大事です。
ところが経営者にはこのキーワードが理解できていても、なかなか政治家には通用しないようで、昨年からの政権運営を見ていると、いま、日本の政治の世界にこそ、このキーワードが必要なんでしょうね。(もっとも、野田首相は、消費増税に関してだけは、先送りせず決断するという姿勢ですが…)
(水越)
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