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ビザの条件が緩和

オーストラリアに入国するには、ニュージーランド人をのぞいて、みなビザを取得しなければなりません。そして、ビザの種類によってさまざまな条件があり、その条件を満たさないと入国できないことになっています。

このところの移民法の改正で、いくつかのビザの条件が厳しくなり、申請をあきらめたり、せっかく準備していたのにまた最初からし直すはめになったりと、多くの方が影響を受けました。

そのため、急に海外からの留学生が減ってしまい、語学学校の経営にまで影響がでたり、会社のスポンサーでやってくるビジネスビザの人たちの数も減少しています。

移民局では、経済界からのビザ条件の見直しと、緩和の要求を受けて、いくつか条件の緩和を今年7月から導入する予定です。

いわゆる技術移民として、会社のスポンサーを得て申請する「ENS」(雇用主指名永住ビザ)というビザがあります。これは、通称「457」と呼ばれるビジネスビザで就労している人が、その後、永住権を申請する際に利用するビザです。

サブクラス457でオーストラリアに2年間就労していて、そのスポンサー会社が再度永住ビザのスポンサーになる場合に、このENSで申請をします。

今回、このビザの申請条件が変更になり、2012年7月1日以降の申請に適用されると発表されました。

大きな変更点は、ビザのクラスがこれまでの6種類から2種類に簡素化されたこと、年齢の上限が45歳から50歳に引き上げられたこと、条件によっては英語力の審査が免除になったこと、などが挙げられます。まあ、すこしは申請しやすくなったということでしょうか。

ビザはその時々の政治・経済状況によって、その審査条件が変更になります。移民局では条件の厳格化や緩和により、毎年受け入れる移住者数の調整を行います。時には市場の要求に応じて、移住者の側に立った内容変更もありますが、ほとんどは政府の方針により左右されるということです。

そして、多くの人がその背景を知らないままに、移民状況について論議してしまいます。例えば難民についても、難民を乗せた船が沿岸部で発見されたというニュースが報じられると、これ以上難民を受け入れるなという世論が高まります。実際には船よりも飛行機でやってくる難民が多いのですが、そんな状況を知ることなく、私たちは大騒ぎしてしまいがちです。

話は変わりますが、もうひとつ移民法が改正になりました。

永住権を持っていると、いつまでもオーストラリアに永住できるのですが、出入国にはRRV(Resident Return Visa)というビザが必要になります。このビザの有効期間は5年間です。海外に出る予定のない人はわざわざこのビザを申請する必要はないのですが、いざ出国する際にはこのビザを取得する必要があります。そうしないとオーストラリアに再入国できません。

そして、海外に出ていてこのビザの期限が過ぎてしまうと、新たにビザを申請しなければなりませんが、申請には、「過去5年のうち2年以上オーストラリアに滞在していること」という条件があり、簡単にビザが取得できません。

この申請条件が緩和され、2年未満の滞在の場合は、1年間有効のRRVビザが発給されるようになりました。これまで2年以上の滞在をしていなかったということであきらめたり、わざわざ期間を調整したりしていた人にとっては、一定の条件のもと、とりあえず1年間有効のビザが取得できるということで、少し安心ですね。

(水越)

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