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シドニー発豪ドル見通し(2012年6月12日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

 

豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

6/11(月)豪州休場(Queen's Birthday)

12(火)白川総裁講演、英4月鉱工業生産、世銀ー世界経済見通し発表、ラガルドIMF専務理事講演、ピアナルド・クリーブランド連銀総裁講演

13(水)ユーロ圏4月鉱工業生産、米5月小売売上高、米5月PPI

14(木)日銀会合、日本4月鉱工業生産、スイス中銀政策金利、ユーロ圏5月CPI、米5月CPI、米新規失業保険、伊仏首脳会談、OPEC総会、キングBOE総裁講演、ゼーリック世銀総裁講演

15(金)日銀会合・白川総裁会見、トヨタ株主総会、ドラギECB総裁講演、米6月NY連銀製造業景気指数、米5月鉱工業生産、6月ミシガン大学消費者信頼感指数

マーケットの焦点

キーワード―欧州問題(17日のギリシャの再選挙、スペイン銀行支援、イタリア問題)、中国景況と金融緩和、日米金融政策

先週は世界的に株価や商品相場は上昇しました。ただ金融緩和にもかかわらず中国の株式市場は軟調でした。

為替市場ではリスク回避の巻き戻しが顕著となりユーロは1.23台、96円台から今週初には一時1.26台、100円台まで反発しました。

週末にユーロ財務相によるスペイン銀行部門への支援が合意されたことから、今週月曜日にはユーロや豪ドルなどのリスク通貨は上部に「窓」を開けてギャップオープンしましたが、その後は欧州懸念未だ払拭されず、ユーロも現在1.24台、98円台まで反落しています。

やはり17日のギリシャの再選挙の結果への警戒感は依然強く、格付け会社ムーディーズのザンディ氏は「ギリシャのユーロ離脱はおそらく世界的な景気後退を引き起こす」と警鐘を鳴らしています。

因みに6/1現在のギリシャの世論調査では財政緊縮派のNew Democrasyが支持率22.7%、同じ連立だったPASOKが11.2%に対して、反財政緊縮派のSYRIZAが22.0%とあまり変化はありませんが、このままだとまた過半数割れとなるのでしょうか。

またスペインの銀行支援はまとまりそうですが、今度は矛先がイタリアに向かっているようで、引き続き欧州問題は17日のギリシャ再選挙を控えて”台風の目”です。

先週中国は突然の利下げを行いましたが、期待されたほど上海総合指数などは上昇していません。

先週末に中国の5月の諸指標(小売売上、鉱工業生産、貿易収支、CPI、PPI)が発表されましたが総じて前月比また予想比弱い数字でした。

貿易収支は+130.5億ドルと予想(193億ドル)を下回りましたが、銅輸入の予想外の伸びで、輸入が+28.4億ドル(予想は+22億ドル)と増加したのはやや驚きでした。

市場には”中国の金融緩和=市場センチメントの好転”という図式ができつつありますが、今回の金融緩和もやはり欧州懸念に押され気味のようです。

このように市場では最悪シナリオとして、”ギリシャのユーロ離脱→19/20日の米FOMCで市場安定化のための金融緩和第三弾の実施”という観測があるようです。

日本の消費増税問題もまだ決着しませんが、取りあえず13/14日の日銀金融政策決定会合では様子見となりそうですが、ギリシャ問題などでリスク回避の円買いが急激に強まる折には日銀が単独で円売り介入をする可能性が高まります。

2月の日銀金融緩和実施時のドル円レベル77円台半ばを割り込むような地合いとなれば円売り介入の可能性が高まるでしょう。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ   AUDUSD 0.9628-1.0002  AUDYEN75.24-79.71

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9800-1.0100  AUDYEN 77.00-80.00

今週の豪ドルは売り買い交錯で、反発か?続落か?次のトレンドを占う週となるでしょう!

先週の豪ドルは上記のように欧州問題解決への期待感に加えて、豪州国内でも①RBAの利下げが一部予想の50bpを下回る25bpに留まった②第一四半期のGDPが+4.3%(前年比)と非常に強かった③5月の雇用統計で就業者数が予想(±0)を大きく上回る+38.9千人だった、などのサポート要因を得て豪ドルは週末に向けて大きく上伸し一時1.0000のパリティー、79円台後半を回復しました。

月曜早朝もユーロに追随して上にギャップオープンしましたが、その後はユーロの反落に歩調を合わせて「窓」を埋めにかかり、現在0.98台後半、78円台半ばまで値を下げています。

先週金曜日にスティーブンスRBA総裁は「最近の利上げは資産投機的な需要を押し上げることことが目的ではない。住宅価格のブーム再来を促すようなことはしない」と述べており、また”国内経済は失業率低くまずまずの成長”との認識を示しています。

つまり最近の豪州景気の後退懸念も欧州問題やその影響ともいえる中国経済のスローダウン懸念が原因であり、それらの問題が解決に向かえば過度の金融緩和はしたくないという気持なのでしょう。

とは言っても今週はギリシャの再選挙を目前にした重要な週です。

大きな国内イベントはありませんが、欧州問題では今年後半の相場を占う上で重要な週と位置付けられます。

豪ドルは先週来の戻り基調を継続するのか?あるいは欧州情勢再べ悪化で悲観的シナリオとなるのか?目が離せません。

 

それではHave a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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