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シドニー発豪ドル見通し(2012年7月16日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

7/16(月)日本祝日(海の日)、ユーロ圏6月CPI、米6月小売売上高、米7月NY連銀製造業景況指数、IMF世界経済見通し公表

17(火)豪中銀議事録、英6月CPI、独7月ZEW景況感調査、米6月CPI、米6月鉱工業生産、米6月設備稼働率、バーナンキFRB議長上院で半期の金融政策報告、地区連銀総裁講演(ジョージ・カンザスシティーFED、ピアナルト・クリーブランドFED)

18(水)日銀議事録、英中銀議事録、英6月失業率、米6月住宅着工・建設許可件数、FEDベージュブック、バーナンキFRB議長下院で半期の金融政策報告

19(木)豪州NAB第二四半期企業信頼感・景況感、英6月小売売上高、米新規失業保険、米6月中古住宅販売、米6月景気先行指数

20(金)独6月PPI、カナダ6月PPI、(臨時)ユーロ圏財務相会合

マーケットの焦点

キーワード―世界経済後退懸念(今週は米国週間)、バーナンキ議長の半期議会証言、欧州情勢(ユーロ圏財務相会合)

先週も前週金曜日の弱い6月米雇用統計に続いて世界的に景気後退懸念が強く、株価は前週末比で見て独(DAX指数)があく抜け感から上昇し、NY ダウ平均が小幅上昇した以外は総じて軟調推移しました。

ただ商品相場は中国のQ2GDP発表を経てリスク回避一服からやや戻しています。

中国の6月諸指標は前週発表の弱いPMIに続いて、6月のCPI、PPIは低めであり、Q2のGDPは市場予想+7.7%(前年比)に対して+7.6%(前回は+8.1%)とやや弱い数字となりました。

中国政府の今年度GDP予想+7.5%ペースはまだ保っていますが、中国人民銀行は今月2カ月連続で利下げを行うなど、中国内部でも景気スローダウン懸念が強いようです。

前週の中国、ECB、英国の追加緩和に続いて先週もブラジルと韓国が利下げをしています。ただ日銀は今回追加緩和を実施せず様子見に回りました。

先週は中国週間でGDPはじめ多くの指標が発表されましたが、今週は米国週間で6月小売売上高、7月NY連銀製造業景気指数、6月CPI、鉱工業生産指数、住宅着工・建設許可、景気先行指数など多くの指標が発表され、加えてバーナンキFRB議長の半期に一度の上院・下院での”金融政策報告”(火・水)が注目されます。

現時点でQE3発動の条件を満たす米景気の下振れリスクは指摘されないと予想しますが、今週の諸指標が今月末のFOMCに影響を与えることは間違いないはずです。

また金曜日には臨時のユーロ圏財務相会合が実施され6月のEU首脳会議で合意した大枠の具体策が協議されることが期待されます。

特にスペイン支援の具体化が示されると思われますが、ECMによる銀行への直接資本注入問題などは、独における合憲論議も巻き込んでおり、まだ結論を見るには時日を要しそうです。

先週もスペイン国債利回りが7%台に乗るなど欧州情勢は依然としてくすぶっていますが、今週は欧州問題も一服でむしろバーナンキ議長の議会証言、米経済指標指、米企業決算など市場の目が米国に注がれることが予想されます。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ   AUDUSD 1.0100-1.0281  AUDYEN80.05-81.79

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0100-1.0400  AUDYEN 80.00-83.00

今週の豪ドルは引き続きリスク回避とその巻き戻しの動きにより現レベル中心の揉み合い相場となるでしょう

7月に入ってからユーロの軟調を横目にある程度堅調を維持してきた豪ドルですが、先週はさすがに相次ぐ弱い指標を受けて軟化しました。

6月のANZ求人広告-1.2%(前回-2.6%で3カ月連続マイナス)、6月NAB企業信頼感-3(前回-2)・企業景況感-1(前回-4)、7月WESTPAC消費者信頼感指数99.1(前回95.6でこれは5カ月ぶりの高さ)、5月住宅融資-1.2%(前回+0.8%)、そして究極は6月の雇用統計で就業者数は-27千人(予想±0、前回+38.9千人から+27.8千人に下方修正)と文句なく弱い数字となり、豪ドルは1.0100近辺、80.00近辺の週中安値を付けましたが、その後は、やはりというか押し目買いにサポートされて現在1.02台、80円台後半を回復しています。

豪州経済は現在外需依存型となっており、時に最大貿易相手国中国の景気動向に大きく左右されますが、その中国経済も最大輸出先が欧州ということで、今後とも”貿易連鎖”の動きが最重要ポイントとなります。

ただ、先週発表された中国のQ2GDPも”デザスター”と呼ぶほどひどいものではなく、むしろ中国政府の年初のGDP予想「7.5%」の予想内であり、今後もこのラインに沿ったものであれば、豪州への悪影響も限定的と思われます。

豪ドル下落局面では以前からアジア、欧州、ロシア中銀やSovereign Wealth Fundなどの豪ドル買い需要が指摘されていますが、この傾向は今後も継続することが予想されます。

またバーナンキ議長の議会証言でQE3の可能性に言及される場合には、米ドル安=豪ドル高となることが予想されますが、一方米景気後退がリスク回避要因となるために、豪ドルの動きも一筋縄とはいかないでしょう。

今週も基本的にはリスク回避とその巻き戻しの動きに左右されて豪ドルは1.0100-1.0400、80.00-83.00程度のレンジ内での揉み合いとなることが予想されます。

 

それではHave a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

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☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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