今週の主な予定、イベント
8/20(月)ギリシャ32億ユーロ国債償還期限
21(火)RBA議事録、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
22(水)日本7月通関ベース貿易収支、米7月中古住宅販売、FOMC議事録、ユンケル議長ギリシャ訪問―サマラス首相会談
23(木)独Q2GDP確報値、米7月新築販売、メルケル・オランド会談、米新規失業保険
24(金)スティーブンスRBA総裁議会証言(年二回)、白川日銀総裁講演、NZ7月貿易収支、英Q2GDP、米7月耐久財受注、サマラス・ギリシャ首相―24日、25日ベルリンとパリ訪問して首脳会談
マーケットの焦点
キーワード―欧州政治再稼働、円安要因、米国金融政策、中国景気
先週までは夏枯れ相場でしたが、今週から欧州各国の政治が夏休み明け再稼働するため、欧州情勢にも進展が見られそうです。
先週はメルケル独首相の発言「独はECBを支持している」もあり、ECBへの期待感も手伝って欧州懸念が後退しユーロは1.23台後半、98円台半ばまで堅調推移しました。
今週は上記のイベント欄にも書きましたように、ユンケル欧州議長のギリシャ訪問、メルケル・オランド会談、そしてサマラス・ギリシャ首相の独仏訪問首脳会談と政治日程が目白押しです。
8月に入ってからドラギECB総裁やメルケル独首相からポジティブな発言も聞かれ、欧州懸念に一服感も出ていますが果たして本物か?
ギリシャは緊縮財政策達成期限の2014年から2016年への2年延長を申請するつもりですが、その間更なる支援増加(EUR20bio-40bio)が必要となるため、ショイブレ独財務相などから、早くも“無制限の支援”に対する反対意見が出ています。
またスペインやイタリアの正式支援要請もありませんが、両国ともに国の支援要請による財政赤字拡大を回避して民間銀行への直接融資を画策しているのは間違いなく、こちらも賛否両論分かれるところ。
つまり欧州問題は依然としてペンディング事項が多い一方期待感が膨らんでいるだけに、今週のたび重なる首脳会議結果次第では一転ユーロ失望売りが出る可能性もあります。
先週ドル円は1カ月ぶりに79円台半ばまで上昇しましたが、足元円売り材料が目立ちます。
日本のQ2GDPは前期の+4.7%から+1.4%に減速しましたが、消費増税法案の成立を受けて日銀への金融緩和圧力が強まる可能性があり、一方中国や韓国との外交問題や解散総選挙に向けた政局も円売り材料視される可能性があります。
また米経済の回復期待による米ドル堅調地合もドル円をサポートしており、加えて水曜日に発表される日本の7月通関ベースの貿易収支も6月の+603億円から-2,725億円の赤字となることが予想され、中東不安による原油価格の高止まりが今後も継続するようであれば、需給面でも円売りサポート要因となります。
最近の米経済指標の堅調から量的緩和第三弾(QE3)の実施が遠のいた感があります。
市場は8/31のバーナンキFRB議長の講演(ジャクソンホールにて)に注目していますが、2010年8月にはこのジャクソンホール講演でQE2を発表しています。
8月に発表された中国の諸指標(鉱工業生産、小売売上高、CPI、貿易収支、製造業PMIなど)は総じて軟調で、市場では50bp程度の預金準備率引き下げ観測が根強い状況です。
ただQ2のGDPは+7.6%と前期の+8.1%から減速しましたが、最近では住宅価格底入れ観測もあり、通年では8%程度の成長を確保するとの見方も依然としてありますが、やはり中国経済による景気けん引の期待感は強く、引き続き景気動向は注視する必要があります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0411-1.0573 AUDYEN82.22-83.48
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0300-1.0600 AUDYEN 82.00-85.00
今週の豪ドルはユーロを見ながらの取引。円安傾向が続けば円クロスが豪ドルをサポートするでしょう
先週は欧州不安後退期待もありユーロが堅調推移しましたが、一方豪ドルは中国経済減速懸念に加えてRBAによる豪ドル高抑制介入に対する支援意見が出るなど、豪ドル高警戒感も手伝って1.05台で上値の重い展開となりました。
その結果豪ドルは対ユーロでも史上高値である0.86台から0.84台に反落しています。
対円ではドル円の79円台への反発を受けて豪ドル円は83円台中心に堅調を維持しています。
引き続き欧州情勢や中国経済動向など外的要因が豪ドル相場に与える影響が強い状況です。
一方、発表されたRBAの”四半期金融政策報告書”では「継続的な豪ドル高がこれまでよりも成長を損なう公算」と述べるなど、交易条件が1年前にピークアウトしているにもかかわらず、その時点から豪ドルが10%以上も上昇し、商品相場との連動性が崩れつつあることが問題視されています。
その意味でも明日発表されるRBA議事録の内容や今週金曜日に予定されるスティーブンスRBA総裁(今年9月に退任予定)の半年に1度の議会証言が注目されます。
最近の豪ドル堅調の背景には欧州懸念の後退によるリスク回避の一服がありますが、今週の欧州政治の展開が注目されます。
ただ、豪ドル下落時における各国中銀の豪ドル買い需要や円クロスの堅調があるために、豪ドルの大きな下落も予想しがたいところです。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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