今週の主な予定、イベント
10/8(月)日本と米国休場、ユーロ圏財務相会合、欧州定化メカニズム(ESM)発足
9(火)-14(土)IMF/世銀年次総会(東京)、日本8月国際収支、独・ギリシャ首脳会談、EU財務相理事会
10(水)欧州議会―銀行同盟案を委員会で審議、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、ブラジル中銀政策金利、米地区連銀総裁講演(フィッシャー・ダラス連銀、コチャラコタ・ミネアポリス連銀)
11(木)東京G7、日銀議事録、豪州9月雇用統計、ECB月報、ファンロンパイEU大統領講演、ショイブレ独財務相記者会見、ラガルドIMF専務理事プレスリリース、米新規失業保険申請件数、地区連銀総裁講演(ブラード・セントルイス連銀、プロッサー・フィラデルフィア連銀)
12(金)9月米PPI、IMF/世銀年次総会本会議
マーケットの焦点
キーワード―米9月失業率改善、日本G7、欧州問題、中国休み明け
今週も欧米中三極情勢に東京G7も加わり材料満載です。
先週金曜日に発表された9月の米雇用統計では非農業部門就業者数は+114千人とほぼ予想通りながら、失業率は7.8%に改善し(予想+8.2%、前回+8.1%)更に前2カ月の就業者数も大幅に上昇修正されました。ロムニー陣営は「失業率の低下は多くの人が求職を放棄しただけ」と冷ややかに反応しています。
過去6カ月の新規就業者の87%はpart-time-jobであるとか、約40%の失業者が長期(6カ月以上)失業者であるとか、若年層失業者が23.7%に上るとか、まだ多くの問題点が指摘されますが、他方”過去2ヶ月分の就業者数の上昇修正が分かっていたらFRBはQE3を踏みとどまった可能性がある”との見方もあります。
いずれにしても大統領選挙前最後の失業率がオバマ政権誕生時の失業率まで初めて低下したことは、オバマ陣営にとってある種の追い風と言えそうです。
今週は東京においてIMF/世銀年次総会とG7が開催されます。
9月の日銀追加量的緩和後も77円台に下落したりとドル円の軟調が続きましたが、先週前原経済相が日銀会合に出席して外債購入案を提示したり、日本政府が欧州安定メカニズムに資金を拠出する(円売り需要)との観測や、城島新財務相が「G7で日本は円売り介入への理解を求める」と発言したこと、更には金曜日の米雇用統計を好感してドル円は78円台後半まで値を上げました。
ただG7での主なテーマは①欧州債務問題②米国の財政の崖問題③中国の景気減速で、特段”為替”がテーマとならない模様であり、主催国とはいえ、日本の主張に各国が耳を傾けるかやや疑問です。
むしろ長引く領土問題が日中経済に与えるネガティブインパクトが懸念されます。
また今週は上記国際会議以外でもユーロ財務相会合や独/ギリシャ首脳会談など欧州情勢の新たな展開にも注目されます。
スペインの金融支援要請問題、ギリシャの財政再建打開策とトロイカ調査団の財政改善策評価問題、欧州安定化メカニズムの発足などが焦点です。
スペインが12日ごろまでに申請しなければムーディーズによるスペイン格下げの可能性が浮上し、またギリシャとトロイカとの財政再建交渉は15日を目途にしており、結果次第では再び波乱要因となります。
またメルケル―サマラス会談も、財政再建への最終協議との見方がある一方、”独はユーロからの離脱を促す”との見方が一部にあることは否定できません。
今週は国慶節明けで中国市場がオープンします。
本日の上海総合指数は-7ptsと、休み明けにもかかわらず冴えない動きです。休み明けに新しい財政・金融政策が発表されるのではという期待感がある一方、今月中に予想される指導部交替を控えたこの時期ドラスティックな景気刺激策は出しにくいのえは、との見方もあります。
いずれにしても世界経済第二位である中国の休み明けの動向が注視されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0152-1.0403 AUDYEN 79.73-81.24
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0050-1.0350 AUDYEN 78.50-81.50
今週の豪ドルは中国や欧州情勢をにらみながらリスク許容度の増減に連れてups & dwonsでしょうが、下値を確認するまでは引き続き上値の重い展開でしょう
先週の豪ドルはやや意外感のあるRBAの利下げ(3.50%→3.25%)や不冴えな国内指標(8月貿易収支は2008年以来となる$2.027bioの赤字、8月小売売上高は+0.2%―予想+0.4%、前回-0.8%)から売り圧力強く、ユーロの反発を横目に1.01台半ば、79円台後半まで下落しました。
金曜日の9月米雇用統計を好感したリスク選好の動きで一時1.02台後半、81円近辺まで反発しましたが、週初も1.01台半ば、79円台後半で冴えない展開となっています。
今週も引き続き欧州情勢や休み明けの中国景気動向が鍵となり、また国内では11日(木)には9月の雇用統計が発表されます(失業率予想値5.3%、前回5.1%、就業者数+5千人、前回-8.8千人)。
豪ドルは9月の中旬からベアセンチメントが強まり、先週のRBAの利下げ後も年内25bp程度の再利上げ観測が強くて頭の重い状況です。
テクニカルには9月の安値1.01台半ば、79円台後半(つまり現在のレベルです)をブレークすればパリティー1.00をテストする可能性があります。
この豪ドルベアセンチメントを払拭する鍵は中国が新規の財政・金融政策を打ち出すか?また日中領土紛争が解決に向かうか?という点にあります。
長い目で見れば豪ドルの優位性は変わらないと思われますが、足元調整売り戻し圧力が継続しそうです。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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