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シドニー発豪ドル見通し(2012年10月15日)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

10/15(月)中国9月CPI、PPI、米9月小売売上高、10月NY連銀製造業景気指数、米地区連銀総裁講演(ダドリーNY連銀、ラッカー・リッチモンド連銀、ブラード・セントルイス連銀、ウイリアムズ・SF連銀)

16(火)豪中銀議事録、英9月CPI・PPI、ユーロ圏9月CPI、独10月ZEW景況感指数、米9月CPI、米9月鉱工業生産・設備稼働率、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、米大統領候補第二回討論会

17(水)英中銀議事録、英9月失業率、米9月住宅着工・建設許可件数

18(木)EU首脳会議、中国Q3GDP、中国9月鉱工業生産・小売売上高、米新規失業保険申請件数

19(金)EU首脳会議、米9月中古住宅販売件数、ブラックマンデーから25年

マーケットの焦点

キーワード―IMF・世銀年次総会・G7終了と今後の欧州問題―円高問題、米国景気と大統領選挙、中国の指導部交替と追加財政/金融政策

先週もIMFや世銀の世界経済見通し下方修正や、スペインの格下げなどから全般的にリスク回避ムードが高く、世界的に株価や商品相場は軟調推移でした。

先週東京で開催されたIMF・世銀総会・G7では世界経済の減速に強い危機感が示されましたが、具体策に欠き相場動向を決定付ける内容とはなりませんでした。

景気減速の主因となっているユーロ不安では焦点の一つであるスペインの支援要請に関しては数週間以内に支援の決断を下すとの見方が強く、複数のユーロ圏高官は11月にも要請があるとの見通しを述べています。今週末にはスペイン地方選挙が予定されており、国内政局を見極めた上で支援要請がされる可能性があります。

またEUサミットの主要議題はギリシャ問題となりトロイカ報告を受けて第二次支援に関する協議が行われる模様ですが、ラガルトIMF専務理事も「ギリシャには2年程度の時間が必要」と述べトロイカ調査団も同意見であり、11月には融資が実施される運びとなりそうです。

G7では日本は”円高が影響を及ぼす懸念を表明し、G7で異論はなかった”としていますが、”スイスフラン高防止政策の正当性”を常時発信しているスイス当局と比較してアピール力が劣っているのは明白です。少子高齢化・人口減少の問題を抱える日本がデフレ脱却を実現するためには円安政策は不可欠であることを国際社会に認知せしめるべきでしょう。

9月の米失業率は3年半ぶりに7.8%に改善しましたが、依然として懐疑的見方が多く、中には最近の雇用指数の信ぴょう性を疑う意見まで出ています。11月6日の米大統領選挙の直前には10月の雇用統計が発表になりますが、失業率の改善傾向が定着するのか注目されます。

大統領選レースではロムニー候補がオバマ大統領に追いついたとの世論調査も見られますが、大統領選挙直前の雇用の改善はやや"Too Late"との印象なのかもしれません。

10月のもう一つの焦点はやはり中国の指導部交替と新たな財政/金融政策発動の有無です。先週国慶節明けの中国株式市場は景気テコ入れ策への期待から上昇しました。

週末発表された9月の貿易収支は+27.7bioドルと予想を上回りましたが、今週発表される9月の諸指標(CPI、PPI、鉱工業生産、小売売上高)や第三四半期GDP(予想値+7.4%、前回+7.6%)に注目が集まります。

先週も預金準備率引き下げの憶測が聞かれましたが、追加の財政出動/金融緩和が実施されれば世界経済にとってフェイバーとしてリスク選好の動きにつながる可能性があります。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ   AUDUSD 1.0149-1.0293 AUDYEN 79.40-80.79

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0100-1.0400 AUDYEN 79.00-82.00

今週の豪ドルは押し目買いと利食い売りに挟まれて揉み合い相場でしょう。発表されるQ3GDPはじめとした中国の諸指標が重要となります。

上述のように先週は週初のユーロ圏財務相会合、IMF・世銀総会、G7といった重要会議が連なり、これら国際機関による世界経済見通しの下方修正やスペインの格下げ(S&PがBBB-のジャンク級の手前まで格下げ)、米企業決算への警戒感などからリスク回避ムードが強く豪ドルは週初軟調推移しました。

しかし木曜日に発表された9月の雇用統計では就業者数が+14.5千人(予想5千人、失業率は前月の5.1%から5.4%に上昇)と予想を上回り、加えて国慶節明けの中国株価の堅調や石炭・鉄鉱石価格(スポット)の反発を好感して豪ドルは1.02台後半、80円台後半まで反発しました。

欧州情勢、中国景況、米国の財政の崖問題など依然としてリスク要因は多いですが、9月の高値1.06台、83円台から今回1.01台、79円台とある程度の調整を見ましたので、むしろ現レベルから下は押し目買いでサポートされる展開が予想されます。

特に今週は中国週間でQ3GDPはじめとして多くの重要指標が発表され豪ドル相場に影響を与えるものとして注視する必要があります。

足元豪ドルは押し目買いと利食い売りに挟まれた揉み合い相場が継続しそうです。

それではHave a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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