今週の主な予定、イベント
12/3(月)豪州10月小売売上高0.0%(予想+0.4%、前回+0.5%)、中国11月非製造業PMI、米11月ISM製造業景況指数、ユーロ圏財務相会合
4(火)RBA理事会(利下げ3.25%→3.00%)、豪州10月住宅建設許可件数-7.6%(予想-1.6%、前回+7.8%)、豪州第三四半期経常収支-14.9bio(予想-14.5bio、前回-11.8bio)、衆議院選挙公示、ユーロ圏10月PPI、スペイン11月失業率
5(水)豪州第三四半期GDP前期比+0.5%(予想+0.6%、前回+0.6%)、前年比+3.1%(予想+3.1%、前回+3.7%)、ユーロ圏10月小売売上高、米11月ADP雇用者数、米11月ISM非製造業景況指数
6(木)NZ準備銀行政策金利、豪州11月雇用統計、ユーロ圏第三四半期GDP改定値、ギリシャ9月失業率、英中銀政策金利、欧州中銀政策金利、米新規失業保険申請件数
7(金)ポルトガル/ギリシャ第三四半期GDP、英10月鉱工業生産、ドラギ総裁講演、米国11月雇用統計
マーケットの焦点
キーワード:ギリシャ問題、米国財政の崖、11月米雇用統計、年末の米ドル本国送金―リパトリ、日本の総選挙
先週は第3回目のユーロ圏財務相会合においてギリシャ支援で政治的合意を見ましたが、相変わらず今週も調整プログラムの協議が行われています。ギリシャは独自の国債買い戻し条件を公表して市場はやや安ど感を感じており10年債利回りは初めて15%を割り込んできました、まだ手放しで喜べる状況ではありません。
ショイブレ独財務相はギリシャ合意後も「ギリシャ問題解決にはなお長い道のり」と発言していますし、週末にムーディーズはESMとEFSFの格下げを発表しています。
一方米国の財政の崖問題も”大枠合意”とは裏腹に、やはりというか大統領選挙で負けた共和党側が富裕層への減税廃止に強い難色を示しており、ベイナー下院議長(共和)の”共和党に財政問題解決で超党派での協議を希望”もなんともリップサービスと映ってしまいます。
いずれにしてもクリスマス休暇を控えて12/23が実質的なデッドラインであり、崖問題が進展しない場合には、緊急のFOMC開催でQE3増額の可能性が取り沙汰されますが、これは米ドル押し下げ効果となるでしょう。
また今週金曜日には11月の米雇用統計が発表されますが、ハリケーン「サンディ」の影響もあり失業率は10月と同じ7.9%、NFPRは10月の+17.1千人から+10千人程度に伸びが鈍化する予想であり、これを大幅に下回る数字に対しては12月11-12日のFOMCでこれまたQE3増額観測が高まるでしょう。
もちろんサンディにもかかわらず強い数字が出れば、雇用回復期待が一気に高まることになります。
このほか12月は米系企業の外貨資産売却米ドル買い本国送金のいわゆる”リパトリ玉”が毎年出ますが、果たして企業収益厳しい今年もそうした玉が出るかどうか注目されます。
12/16の日本の衆議院選挙結果が気になりますが、下馬評通りに自民勝利となれば、取り敢えず安倍さんは選挙公約実行のために大幅金融緩和圧力を日銀に掛けるでしょう。
それでなくとも円の避難通貨としてのステータスは脅かされています。加えて昨日ドル円83.00に今年最大のオプション満期(EXPIRY)が到来した模様であり(NYK時間10:00 AM)、この満期通過となればドル円のレジスタンスが取り払われ、上値をテストする可能性も指摘されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0393-1.0489 AUDYEN 85.24-86.25
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0350-1.0600 AUDYEN 84.50-87.50
今週の豪ドルは揉み合いながらも豪ドル円中心に堅調維持でしょう
先週豪ドルはギリシャ問題を巡るユーロの動きに神経質にフォローしなが1.04台中心の揉み合い相場となりましたが、豪ドル円は前週の米ドル円急上昇を受けて一時86円台まで上昇し堅調な動きとなりました。
今週はここまで不冴えな10月小売売上高や、RBA理事会における利下げ、更には本日発表されたQ3GDPも予想をやや下回っていますがむしろ堅調を維持しています。
昨日RBAは小職予想が外れて利下げを敢行しました。
これでリーマンショック後のキャッシュレートの史上最低レベル3.00%に並んだ訳ですが、はたしてそこまで内外の状況が悪化してると言えるのでしょうか?
声明を読んでも「過去の利下げ効果が依然出つつある」と言いながらの追加利下げに戸惑いを感じます。
声明文を見るとやはり世界経済の下振れリスクに触れ、更に非資源産業への配慮、また交易条件が昨年のピークから約15%下落していること、更には先般発表されたQ3の民間設備投資の低迷を利下げの背景としているようです。
実際本日発表されたQ3GDPは前期の+0.6%(前期比)、+3.7%(前年比)から+0.5%、+3.1%と景気のスローダウンを示しました。
ただ利下げ発表後豪ドルはむしろ反発しています。「Buy on Fact」の買い戻しも出た模様ですが、むしろ市場には今回の利下げで”利下げ打ち止め感”も出つつあるようです。
1月はRBA理事会がありませんし、クリスカス商戦前のカンフル剤投入というところなのでしょうか?
前回2010年5月と11月の無用な利上げ同様、今度は「あの利下げは必要なかった」と後日ならないのかやや心配です。
豪ドルは欧州情勢や米国の財政の崖問題などのリスク要因にも敏感に反応します。
ただこの二大リスクも目立って悪化している訳ではありません。
むしろ12月は豪州資源産業が来年度の資源輸出に関わる為替エクスポージャーの約50%をカバーするのが恒例となっており、大きなリスク回避の動きがぶり返さない限り年末に向けてある程度の堅調地合いを維持するものと思われます。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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