移民の国オーストラリアは、毎年、約20万人の移住者を世界中から受け入れています。
もちろん希望すれば誰でもウェルカムというわけにもいかず、毎年定められた受入数の枠内で、希望者の審査と選別が行われます。
この選別システムは、長年の移民政策の蓄積により、移住希望者の審査はかなり制度的に合理化されたものとなっています。
では、その選別に漏れた人はどうするかというと、あきらめるしかないのですが、あきらめきれない人は、ごまかしてでもビザを取得しようと、あの手この手の方策を練ります。
その結果、偽造パスポートやら、偽造の資格証明書、果ては偽装結婚まで、さまざまな手段をとるわけです。
移民局も、そんなことは先刻ご承知で、これまでの蓄積された膨大なデータから、疑わしい申請はかなりな確度で分かるようで、偽造証明書が多い国別リストやら、不法滞在の可能性が高い国別リストなど、これまでのデータを元にすぐに摘発しているようです。
そうなると移住希望者は、オーストラリアの永住ビザが取得できるとなれば、多額のお金を払ってでも、荒海に船で出て行きますし、難民の格好をして潜り込むことさえいといません。
ところが、昨年11月から導入された新しいビザは、なんと!オーストラリア政府自ら、「多額のお金を払えばビザをあげますよ」と宣言したようなものなのです。
この新しいビザは、「Significant Investor Visa」というもので、事業移住ビザの一貫で、投資によるビザです。
通常、事業や投資によるビザ申請は、ポイント制度が適用され、年齢や英語力などが審査されて項目別に得点され、合計ポイントが規定以上に達する必要がありますが、この新しいビザには年齢制限がなく、英語力も問われないという、実にありがたいビザなのです。
唯一の気になる条件は500万ドルを投資することです。まあ、ここで多くの人があきらめるわけですが、世の中実に広いようで、「500万ドル?それだけでいいの」という人も多くいるのですね。
お金があればすぐビザがもらえるというわけで、お金持ちには嬉しいニュース、もちろんオーストラリア政府もお金が入って満足というビザなのです。
一体、どんな人を対象にしているかというと、もちろんお金持ちなのですが、それも中国人を対象にしたビザのようです。昨今の中国パワーを前にすれば、当然そうでしょうね。
ちなみに永住ビザのサブクラス番号は、「888」です。そうです、中国人にとって縁起の良い数字「8」が三つも並んでいます。
先日、新聞に掲載されたカンタス航空の広告にも、旧正月を前にした、香港、ベトナム、シンガポール向け航空券のセール価格が、やはり888ドルでした。
どうやら888は、ビザ申請者はもちろん、企業にとっても政府にとっても魅力の数字といえるようです。
ところでこの“高額投資ビザ”、まだ第一号の移住者が現れていないようですが、はたして日本からやってくる人がいるのでしょうか。
(水越)
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