今週の主な予定、イベント
18/3(月)中国2月不動産価格、米3月NAHB住宅市場指数
19(火)白川総裁退任、山口・西村副総裁任期、独3月ZEW景況感調査、英2月CPI、米2月PPI、米2月建設許可件数、WBC決戦
20(水)FOMC、日本休場(秋分の日)、英2月失業率、英中銀議事録、英財務相13年度予算案を議会に提示、NZQ4GDP
21(木)日本2月通関ベース貿易収支、英2月小売売上高、米国新規失業保険申請件数、米2月中古住宅販売件数
22(金)独3月ifo景況感指数
マーケットの焦点
キーワード:キプロス問題―リスク回避、日銀新体制、FOMC、リパトリ、イタリア議会
先週も米国の2月雇用統計後のリスク選好の動きから株高・円安が週前半継続しましたが、週後半は相場に疲れが見え、NYKダウも10日間史上最高値更新の後金曜日には反落しました。
週末に行われていたユーロ圏財務相会合ではキプロスの全預金を対象とした預金課税を条件に100億ユーロの支援で合意、預金課税と言うこれまでにない条件を含めた決定に週明けのシドニー市場は大混乱に見舞われました。
シドニー市場オープン(シドニータイムAM 5:00)と前後してドル円は93円台前半、ユーロ円は121円台前半、豪ドル円は96円台後半など、正式の市場レートと認定されるか微妙な気配値が先週のNYK引け値を大幅に下回りました。(ギャップオープン)
その後ドル円、円クロス共に2円近く急反発しましたが、再び反落するなど久々に市場のボラティリティーが急騰し乱高下しています。
問題はキプロスに留まらず、せっかく欧州情勢が落ちついてきたのに、今回のキプロス問題を機にギリシャなどその他債務国での預金逃避の動きに繋がることが懸念される点です。
ムーディーズは早速”キプロスの動きは欧州銀行格付けに打撃”と述べていますが、忘れかけていた悪夢が再び蘇るのか?要注意です。
今週20日には黒田新総裁、岩田・中曾副総裁の日銀新体制が発足します。
25日には臨時会合が招集され4月の定例会議を待たずに早期の”異次元の金融緩和”が実施されるとの思惑があります。
ただここまで日銀への期待先行的で円売りが進みましたから、臨時会合への失望感が出る場合には、再びリスク回避の動きが見られているだけにドル円の調整続落に繋がる可能性もあり要注意です。
また3月期末に向けたいわゆるリパトリ(外貨建て資産売却円転)の円買い需要が出るとの観測がありますが、一方ドル円が再び新高値をブレークする場合には、円高ヘッジポジションの手じまい(ドル円買い戻し)の円売りが出ることも予想され、3月特殊玉の出方はなかなか厄介です。
また今週の目玉はやはり19/20に開催される米FOMCです。
先週の2月雇用統計をはじめとして強い指標が目立つ米国ですが、バーナンキ議長は果たして自分の任期(2014年1月)まで量的緩和継続にこだわるのか?あるいはタカ派が台頭したり、バーナンキ議長自信の所信に変化が訪れるのか?米金融政策も面白い局面に差し掛かりつつあると言えます。
その他先週総選挙後初の議会招集が行われたイタリアですが新政権樹立に向けた政党内での交渉は予想通りに難航しています。
議会は20日に上下両院の議長を選出し、その後ナポリターノ大統領は各党の幹部と新政権樹立に向けた協議を開始しますが、ネガティブサプライズ(再選挙など)には要注意。
キプロスに加えてイタリアの政局混迷となれば、更にユーロ売り圧力が高まる可能性がある点には留意したいところです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0211-1.0414 AUDYEN 98.05-99.97
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0250-1.0450 AUDYEN 96.50-99.50
今週豪ドルは売り買い交錯でしょう。
先週の豪ドルは前週の堅調地合を受けて、悪材料(NABの企業景況感や中国上海株の軟調)にはあまり反応せず、むしろ3月WESTPAC消費者信頼感の強い数字や、極めつけは木曜日に発表された2月雇用統計の非常に強い数字(失業率5.4%、予想5.5%、前回5.4%―就業者数+71.5千人、予想+10千人、前回+13.1千人)を受けて1.04台、99円台で高値引けしました。
しかし今朝のシドニー市場ではキプロス不安を受けて1.03台前半、特に豪ドル円は96円台後半まで時間外で大幅下落を演じました。
上記の2月の非常に強い雇用統計は統計方法上サンプル入れ替えが原因などという見方もあります。
実際資源州のWAの伸びがほとんどなく、Qld州が-3,900人となる一方、非資源州のVic州が+36,000人、NSW州が+20,000と驚きの結果となっています。
もちろん単月の数字を鵜呑みにはできませんが、強い数字であることは事実であり、また強い1月の小売売上高と相まって市場では「RBAの次のステップは利上げ」との意見も聞かれます。
また欧州不安が再燃すると避難通貨として豪ドルの人気が上昇します。
豪ドルユーロは0.80台に再び上昇しています。
このように欧州危機の拡大が限定的であれば、むしろ豪ドルの買い需要が高まりますが、一方100円直前まで円クロスの上昇をリードしてきた豪ドル円も98円割れまで反落しており、円クロスの軟調が豪ドルの上値を重くする展開も予想されます。
また本邦投資家が3月期末を控えて豪ドル資産を一旦利食う動きにも注意が必要です。
猶、4月上旬まで日本出張となりますので、この豪ドルレポートは暫くお休みさせて頂きます。
また4月2週目にお会いしましょう!
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/